ケアレスミスのなくしかた
2019年06月25日
この仕事をしていると、どうしても出てくる話が「ケアレスミスをどうするか」です。
「どうするか」だったらまだマシで、ひどいと(でも多いのが)「この間違いは、ケアレスミスだから大丈夫。」と言うやつ。何が大丈夫なんだか。当人的には、「分かってないわけじゃないからー!ちゃんとわかってるからー!ただのミスだからー!」ってことなんですが、点数も400前後くらいになってくると、内容理解はそれほど問題はないので、あとはミスとの戦いになるわけです。
今回はケアレスミスの克服にガチで取り組んでみたいと思います。
1.ケアレスミスでも、ミスはミス
まず、「ケアレスミスだから-!」っていう男子小学生(並の中高生)には、ミスの内容で判断しないでまず点数評価をしましょう。結局85点じゃん!取れてないじゃん!と。そして、上でも書きましたが、ここから先はミスをなくせるかどうかの勝負であって、「ケアレスミスだから」って言ってるヤツに未来はないと。医者になってもケアレスミスで許されるのかと。そこを分からせてください。
2.ケアレスミスでひとくくりにしない。
ケアレスミスにも、個人差があります。計算ひとつとっても、人によってどこで間違えるかは異なります。もちろん、みんなが間違えやすいところはあります。例えば数学ならマイナスの数字の分配法則とか、社会なら国際連盟と国際連合とか(そうか??)。でも、そのあたりは学校の先生も塾の先生も心得ているので注意を喚起します。問題はそれ以外の、個人差がある部分です。
いくつか間違いを拾い集めてみると、それぞれに傾向が必ずあります。まずそこを自覚することです。人間の集中力には限界があります。「計算気をつけて!」ではなく、「分配法則気をつけて!」「移項気をつけて!」「マイナスで割る計算気をつけて!」ということです。もしそのミスを撲滅できたら・・・結構点数上がりますよね!?そうやって、一つ一つクセを見つけて潰していきます。
3.計算を省略して暗算で。
これは数学や理科などの計算系のミスですが、「ミスを減らすために丁寧に!」と指導されてきているために、やたらめったら丁寧に書く子がいます。はい、人間なんで、作業量が増えればミスが増えます。当然です。丁寧に書けば書くほどミスは増えるんです。当たり前ですよね。
↓をご覧ください。ある中学生の回答(のつもり)です。
赤字だけを見てもらえればわかりますが、非常に丁寧にやっています。
でも、青で書いたように、暗算で出来るものは暗算でもいいと思うんです。移項とか、移項しながら足し算や引き算くらいできるでしょ。
もちろん、暗算力には個人差があります。2桁の足し算が苦手な人もいれば、3桁のかけ算まで出来ちゃう子もいます。それぞれの個性があります。そこを見極めて、自分で自信がある範囲の暗算はどんどんやるべきです。作業はできるだけ少なく!
そうすると、↓のようになります。
これは僕の場合ですが、1行目で小数をなくす計算と、カッコを外す計算は必ず別でやります。中学生には、ここを同時にやってしまおうとする子が結構多いのです。
そうすると、「小数をなくす」「カッコを外す」「マイナスを分配する」の3つの作業が高確率で同時発生します。こうなるとミスの確変連チャンに入ります。暗算などで作業を省略していいところと必ず書いた方がいいところ、これははっきり分けていく必要があります。授業中に結構しつこく言っていますが・・・聞いてくれているかな。個人個人でも研究する価値が大いにあるところですよね。分からない人は相談に来てください。
他にも計算ミスを減らす小技はいくつかあるのですが、おおまかに上記の3つを意識してもらう、自分で分析して気をつけて回答することでかなりミスは減らせると思います。
最後に、4つめの奥義を出しておきます。ずばり、
4.ミスよりスピードの方が大事!
です。これも逆の言説がおおいですよね。「速くてもミスったら意味ないから!」。一般論ではそうです。
でも、400点あたりまで来ている子たちに、
「よーし、じゃあこんどはミスらず、スピードアップでやってみようか!!」
と指示してみると、見事にミスは増えません。スピードアップが集中力を高めてくれるおかげで、ミスは増えるどころか場合によっては減ります。「ゆっくり、焦らず、ミスをしないように、丁寧に丁寧に」なんてやっているときの方が、なぜか人間はミスってしまうものです。誰にでも経験があるのではないでしょうか。
楽器の練習のように、ある程度ゆっくりで基本を身につけたら、それを崩さないようにテンポアップをしてくのは重要です。ここ、間違えないよう。速けりゃなんでもいいんじゃなく、ミスをなくす手段としてテンポアップによる集中力アップも効果大ですよ、ということです。基本の計算方式が分かってなかったら、まずスピード以前の問題ですのでお間違いなく。
さて、ケアレスミスのなくしかた。参考になりましたでしょうか。
これらはあくまで概論ですから、これを元に個別に対処していく必要があります。分からなかったら塾にきて相談してくださいね!