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ドル円の話②

前回

ドル円の話① | 開智塾丨各務原・関・美濃・美濃加茂・富加の進学塾 (kaichijuku.jp)

 

 

前回は、「ドルを欲しい人がたくさんいる!なぜならドルの方が金利が高いから!そうするとみんながドルを欲しがってドルが上がって円が下がる!」というお話でした。補足しておくと、「ドルを手に入れるために円を手放す=円はいらないから安くてもいいから円欲しい人いない~?」って状況です。

 

 

 

金利のお話・・・の前に、最近話題になっている「日銀介入」についてです。今回はちょっと難しいです。

 

 

 

通常、ドル円の取引は民間企業が中心に行われています。といっても誰でも出来るわけではなく、通常は銀行など金融機関が取引をしています。

 

 

「1$=159円35銭で1億ドル買いたいよ~」

「もう少し高くするなら売ってもいいよ~」

「なら1$=159円40銭でどう?」

「いいよ~」

「じゃあ決まりね~」

 

 

 

みたいな感じでだんだん値段が動いていきます。

 

実際にディーラーに聞いたんですが(その人はドル円担当ではなく無担保コール翌日物という有名な市場ですが、なんと都銀でも担当はたった1人でした)、本当にこれくらいのものの数秒のやりとりで、数十億円単位のお金をバンバン取引しているそうです。かっこいいっすね。

 

 

 

ですが、こうも円安が進むといろいろ悪影響が出てきます。

 

 

 

どういう影響かはまた別の機会にしますが、とにかく大きく動きすぎると企業としてはいくら損があっていくら得しているのかというのが読みづらくなって決算とか輸出入で困るのです。

 

 

そこで、あまりに急激に円安になりすぎると(逆も)、日銀が市場に颯爽とあらわれます。日銀、超絶巨大なスーパーヒーローと思ってください。

 

ここ数日、急激に円高方向に振れました。

 

 

 

グラフの赤丸の所で日銀の「円買いドル売り介入」があったと言われています。

 

 

 

日銀、すなわち日本銀行。お札を作っているところですね。ここが「おいおい、黙ってみてりゃ円安ドル高すぎんな~、いっちょ食い止めてやるか」って感じで、大量に逆の動き、「円買い・ドル売り」をします。これを「為替(かわせ※)介入」と呼んでいます。

※為替(かわせ)とは、ここでは通貨のことを指します

 

 

言ってみれば、「ドル欲しい~」って人たちに大量にドルを安売りするわけです。

 

そうすると、

 

 

「やっべ、日銀が大量にドル売りやがった!少しでも高く売れるうちに俺もドル売っちゃおう!!」勢が出てきて、みんなドルを売って円を買うようになります。これまでの動きと逆になるのです。

 

 

為替介入については、ここまで抑えておいていただければOKです。

 

 

 

プラスα。

 

 

ここが面白いところですが、この「為替介入」、日銀は「やります」とか「いくらになったらやる」とかは一切言いません。日銀の偉い人も、「注視している」「必要とあれば必要な措置をとる」と「匂わせ」発言だけするんですね。

 

 

実際に実行を指揮しているのが財務省の神田財務官(今月末で退任)ですが、記者のインタビューに

 

 

 

為替市場の急騰に神田財務官「介入があったかは何もコメントしない」(ABEMA TIMES) - Yahoo!ニュース円安進行 神田財務官、為替介入含め「スタンバイ」 - 日本経済新聞

 

 

終始この表情である。

 

 

はっきりそうとも違うとも言わないのがポイントで、いくらになったら介入があるか分からず市場関係者は疑心暗鬼に陥るんですね。大量に「円売り・ドル買い」をしていた人たち(それで儲かる人がいるのだと思っておいてください)は、「日銀、いやさ神田財務官、不敵な笑み。ぐぬぬ・・・」となって、派手な円売りドル買いを控えるようになります。ニュースでは「日銀の為替介入への警戒感からドル売りの動きが広まり・・・」などと報道される状況ですね。

 

 

 

あれ?

ドル円、いれかわってるー?

ということは、日銀ってたくさんドルを持っている・・・?

 

 

 

と思った方は鋭いです。そのとおり、日銀は大量にドルを保有しています。

 

 

日本銀行保有外貨資産の残高 : 日本銀行 Bank of Japan (boj.or.jp)

 

 

約1兆ドル程度は持っているそうです。すげーっす。日本の国家予算(1年間の国の収入)110兆円あまりってことを考えると、円換算で150兆円くらいのドルを日銀は持っているのです。ちなみになんでこんなに持っているかというと、逆のタイミング、例えば「円高・ドル安」の時に大量にドルを買って円を売る市場介入とかをしてドルを持っています。現金ではなくたいてい債権という形で「運用」されているので、ほっといてもさらに増えます。ちょっと難しいですが。

 

 

 

それを、ここぞというタイミングで「為替介入」として大量に放出するわけです。

 

 

この為替介入は度々行われていて、日銀のドル保有残高をみると「あ、いくらくらいの介入をしたんだな」という答え合わせができ、4月・5月だけで「9兆7800億円あまり」と公式発表しています。150兆円分のドルを持っていることを考えるとまだまだ行けそうですね。

 

 

 

そんなわけで、「基本的には市場で取引されて値段が決まるが、あまりに相場が動きすぎるの世の中への影響がでかすぎるので、市場をコントロールする超巨人=日銀が登場するから気をつけろ!!」って感じでした。

 

 

 

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