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名大/法<経<教<文の衝撃 

時代が変わるとこんなことが起こるのかというデータです。

 

 

(河合塾より)

 

表の見方

前…前期日程。後期日程がないので実質一発勝負。(かつての後期日程の定員はほぼそのまま推薦入試枠に変わりました)

80%…共テ得点率のボーダー(合格率50%ライン)。

60.0…2次試験偏差値ボーダー(合格率50%ライン)。河合塾の全統模試の偏差値。

 

 

ほんの少し前までの感覚では考えられないのですが、多くの大学でこのような状況になりつつあります。

 

原因として「定員のアンバランス?」も考えましたがそうではありません。

 

(名古屋大学公式HP、2024年度)

 

法と教を比較しますと、法学部定員150名に対し、教育学部65名、実に教育は定員が法学部の半分以下です。だから教育の方が高くなった・・・のではなく、昔からこんなもんです。

 

さらに言えば、

経済学部…定員205名(うち一般入試165名)

法学部…定員150名(うち一般入試105名)

と、法学部の方が定員が圧倒的に少ないにもかかわらず法学部の方が低いです。

 

 

ちなみに東大では

 

  • 文科一類(法学部)
  • 前期、88%、67.5
  • 文科二類(経済学部)
  • 前期、88%、67.5
  • 文科三類(その他文系)
  • 前期、87%、67.5

(河合塾)

 

となっており、文一が圧倒的No.1ではなくなっています。

合格最低点が文一=文三<文二となった昨年度入試をご記憶の方も多いかもしれません。

東大合格者最終合格最低点(共テ+2次総合)

2024年 文一

331.0(60.2%)/550点

文二

332.2(60.4%)/550点

文三

331.0(60.2%)/550点

(代ゼミHPより)

 

 

こう見ていくと、シンプルに「法学部の人気がない」と言わざるを得ません。隔世の感とはまさにこのこと・・・という方も多いんじゃないでしょうか。

 

 

さて、原因はいろいろです。

 

 

・法学部自体に人気がない。

かつて法学部は法曹、官僚、公務員、大企業への入り口でしたが、どれも昔ほど魅力的ではないですよね。少なくとも今の子どもたちには魅力的に映りません。ITとかのほうがかっこいいし、地獄のような労働の官僚はイヤじゃん(2度3度天下りできるってもっと宣伝してもいいのでは?)。あと法学部って法律を勉強するところでしょ?それってなんかエキサイティングでもクリエイティブでもない。弁護士になるのも難しい。なったとしてもそんなに稼げない。(と、子どもたちには見えている)

はっきり言えば人気が出る要素がない。

 

・経済学部の人気が上がっている。

日本人のマネーに対する意識が猛烈に変化している。今の子どもたちは二言目には「それって給料いいの?」って聞いてきます。働く上での価値判断基準の1位か2位が多分お金です。それくらいお金に対する感覚が敏感になっています。当然そこに興味を持つ子も増えていくわけです。長期の不況というネガティブな要因ももちろんあります(やっぱり生活が苦しいのはイヤよねっていう)。

 

・その他文系学部への目的意識の変化。

文学部や教育学部などは、「これをやりたい」と思う子が受ける学部でした。かつては「そんなん勉強して就職大丈夫?」とかいわれたもんですが、就職=生涯の安泰を意味しなくなった今となっては、そもそも就職に強いかどうかよりも「大学で何を学ぶか」を重視しているとも言えます。高校での進路教育の成果かもしれません。

 

・公務員になるなら法か経。なら経かな。数学好きだし。

名大以上のランクになってくると文系の子たちでも普通に数学ができます。で、大学行っても数学を使う経済学部への興味も出てくるわけです。特に今は数学で確率や統計を必須分野として学んでいますので、敷居はさらに下がっています。

 

 

というわけで、法学部の不人気とその他学部の人気、両方を日々感じている次第です。

 

かといって法学部で就職が大変ということはないので、狙い目かもしれませんね。

 

 

 

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