スマホとの距離
2019年12月07日
こちらも、先日の親塾のアンケートで記載のあった項目です。
親としては気になりますよね。
一時期言われていたような、例えば「LINEにすぐ返事をしないと仲間はずれになる」とか言うのは、そんなに心配いりません。子どもたちどうしでうまく距離を取ってやっていますね。「あ、私あんまり見ない人だから。気づくの遅かったらごめんね」みたいな感じで、平気で既読無視をします笑。本当は、未読の状態で通知のところだけで内容をちらっと確認し、急ぎでなければとりあえずほっとく、って感じですね。
しかし、小学生とか、小さい子はなかなかこういうのは難しいかも知れません。
小学校のうちはスマホを持たせなくても大丈夫でしょう。キッズ携帯で必要な用事はこなせます。(スマホは辞書にはなりません。辞書としてスマホを使うのは禁止すべきだと思います。)
現在は、中学生になるとかなりの率でスマホを持っていますが、実感としては5割近くでしょうか。(データで見ると7割とかになっていますけど、多分塾近辺の学校だとそこまでは行っていないのでは・・・)
いずれにせよ、いつか持たせる時期が来ますが、今は中学生デビューくらいが標準的と言っていいかと思います。(あまり遅すぎると、我慢に我慢を重ねた結果欲望大爆発になってしまいますので考え物です)
気をつけるのは運用面で、「家の中では居間でしか使ってはいけない」。これは絶対です。また、「ペアレンタルコントロール(保護者による使用制限、フィルタリングなどですね)をつける」は必須ですが、あまり役に立ちません。ないよりまし、くらいです(これについては、この記事の下のほうに詳しく書いてあります)。部屋に持ち込ませたり、夜遅くまで好きに触っているような状況にしてはいけません。最初が肝心です。言うことを聞けないなら違約金を払ってでも解約を実行する勇気が必要です。
そしてもっとも大切な事は、「ゲームをさせないこと」です。
中高生のスマホ使用時間で最も長いのがゲームです。ゲームになんでそんなにハマるの?と思う方もいらっしゃると思いますが、ハマるように出来ています。まだ最近は多少なりと法規制がかかってきていますが、ほんの数年前まではパチンコよりもひどい確率のガチャ(お金を払ってアイテムを引き当てるくじ引き)を延々回し続ける・・・子どもが親のクレジットカードを勝手に使う・・・なんてことが平気で行われていました。
一時期、パチンコ依存が社会問題になりました。
生活に困るほど、お金や時間を使って時には借金をしてのめり込むというアレです。
今のゲーム業界は、これを応用しています。
パチンコ依存症の心理-演出・ゲーム性が依存症を促進させる?!
↑これはパチンコ依存についての記事ですが、全く同じ事がスマホゲーム内で行われています。
↓こちらをご覧下さい。
知っている人は知っていると思いますが、ゲームの「セガ」のHPです。名前が変わって「セガサミー」となっていますね。「サミー」は元々パチスロメーカーです。もう露骨に、ゲームメーカーと一緒になって、スマホゲームを開発、じゃんじゃん依存症を生み出しているんですね。画面ギラギラ、音響ガンガン。そうすると人は依存度が高まります。
パチンコ屋さんだったら家から出ないといけないし、時間制限もありました。18歳未満は入れませんでした。
それがスマホになるとどうでしょう。もう24時間いつでも誰でも出来るわけです。
中高生でハマっている子は、本当にヒマさえあればゲームゲームゲーム。目も頭も家計もみんな悪くなります。絶対にゲームをさせないよう、スマホを与えるときに堅く約束してください。破ったら解約一直線で良いです。子どもが約束を破ったり、ルーズになるのはある意味仕方ないと思うんですよね。それを許さない親の力が本当に求められます。
ゲームの会社は、徹底してゲーム漬けにしてお金と時間を絞りとろうとしています。大人だろうと子どもだろうと関係ありません。子どもも数年で大人になって自分で稼ぐようになります。できるだけ早く依存させようとしています。親が子どもを守ってください。DeNAやLineなど、もともと出会い系サイトやゲームからスタートした会社が、今日本では一番偉いんです。おかしなことですよね。でもそれが現実です。
ちなみに、開智塾の自習室ではスマホを触ること自体を禁止していません。自分でコントロールするべき物だと思うからです。音楽を聴きながらやる子もいますし、それは別に良いと思うんですよね。イヤホンをつける事で外界との関係が遮断されて、より集中しやすくなるなんて研究もあるくらいです。
制限しろよ!っておもったでしょ。スマホ使用を規制するとどうなると思います?簡単です。どうしてもゲームをやりたい子は自習室に来なくなるだけです。(えーーーっと、引っ越す前の関校の時は某塾の生徒さんがよく外でゲームしてましたよね。あんなんなります。)
そうすると、周りがみんなゲームなんぞやらずに勉強しているもんだから、意外に自分でコントロールするようになります。そんなもんです。まれにどうしてもだめな子は、塾に来たら預かる、というパターンもありますが。
さて、ここからは余談ですが。
なんでこんなもんが放置されていると思います?
良く女子中高生がSNSを通じて男と会って・・・なんてニュースが出てたりしますが、あれはtwitterだけではありません。上に書いたようなゲームでも同じ事が行われています。ニュースでは名前が出ませんが。スマホのゲームは、「ソーシャルゲーム」とも呼ばれて、「ソーシャル(社会的な=リアルの)」な結びつきをもてるゲームという側面を持っています。
日々大量にリリースされるゲームには
・・・などの問題がいまだ解決されずに放置されています。
そこにはこんなからくりがあります。例えば。
出会い系サイト規制法という法律があります。いわゆる出会い系サイトを運営するには、ユーザに対して18歳以上である年齢確認をしなければなりません。免許証のコピーを求めたり、クレカの番号を入力させたり色々方法はあるのですが、少なくともそこでは、嘘をつかない限りユーザはお互い大人です。直接会ったりお金をやりとりしても自由ということになります。もちろん、未成年の利用は禁止です。
ところが、ゲームの世界は違います。だってゲームですから!出会い系サイトじゃないですから!法規制外ですから!!
で、ゲームの規約には「出会い目的での利用を禁止します」と書いてあります。ユーザがそれを守ってなくても関係ありません。だって、ゲーム会社としては、出会いを認めると出会い系サイト規制法に引っかかってしまうから、認めるわけにはいかないんです。あくまで禁止しています。って言ってるだけ。
そんなわけで、出会いは禁止しています。でも、交流はOKです。
しかも、ゲームなんで、年齢認証も必要ありません。
ここがポイントです。
最近になってようやく、大手ゲーム会社は、年齢により課金(ゲームのアイテムなどに投資する)金額の上限を設定するようになりました。それ以外は放置、というか、そもそもゲームなんで!出会い系サイトでも何でもないし!!クレジットカード使うのは親が悪いんだし!!ゲームの中で交流してもいいじゃん!!そこで未成年が騙されたって、「私どもゲーム会社としては、そういった利用は想定しておりません。」って言うだけです。
ゲームに絡めてtwitterをやっている未成年も多く、そうした子たちにおっさんが声をかけて・・・なんてことも日常的に起こっています。(twitterで「モンスト オフ会」「パズドラ オフ会」など検索してみましょう。大量に出てきます)
なぜ社会問題にならないのでしょう?
答えは、お金持ちだから、です。
球団を持ってたり、学者にお金をあげたり、官僚の天下りを受け入れたり、いろんな手を使っています。
巨額の広告費を出してくれるスポンサーの悪口をテレビは言いません。
ちなみに、ペアレンタルコントロール、いわゆる「フィルタリング」ですが、どんな機能かと言いますと、「子どもがアクセスしても大丈夫なサイトしか、アクセス出来ない」機能です。
「じゃあフィルタリングしとけば安心ね!」とはなりません。
子どもがアクセスしても大丈夫なサイト、誰が決めているのでしょう。
それは「インターネットコンテンツ審査監視機構」という団体なのですが、なんとその構成員が
なんですね。そりゃ、規制なんて出来るはずがない。
ちなみに、ゲームアプリそのものはフィルタリングが効きません。アプリインストール自体を制限する必要があります。(端末ごとに操作が異なりますから、最初に契約するときに「アプリを勝手にインストールできないようにしてください」と頼みましょう。)
また、ペアレンタルコントロールを迂回する技が子どもたちの間では受け継がれています。検索すればいくらでも出てきます。定期的なチェックをしましょう。
あと、「いくら子どもといえど、スマホを見るのはプライバシーが・・・」という親が昔いて絶句しました。んなわけあるかい、と。親がお金出してんだから、中身を見て当然です。親の責任ですよ。見せられないような使い方をしているのなら取り上げるべきです。