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東日本大震災と東北地方太平洋沖地震/伸びる子は

もうすぐ3.11です。

 

 

短期間とはいえ東北地方に住んでいた人間として、当時関わったたくさんの人が被害に遭われて大変な思いをされていることを思うといまだに辛いです。ひとときでも黙祷を。

 

 

 

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せっかく塾ブログなので、ちょうど質問もあったことを書いておきます。

 

 

「東日本大震災」と、「東北地方太平洋沖地震」の名称の違いについてです。後者は一般的ではない気がするので、初めて目にする方もひょっとするといらっしゃるかもしれませんが、教科書には両方出てきます。

 

 

簡単に言うと、

 

 

気象庁…「地震という自然現象」に、東北地方太平洋沖地震という名前をつけた。特定の地震を指す(比較的)学術的な用語として用いられる。

 

政府…地震によって引き起こされた家屋倒壊、津波や原発事故など「地震関連の全ての被害を指す災害」に東日本大震災という名前をつけた。

 

表にまとめると↓のような構造になっています。

 

東日本大震災 東北地方太平洋沖地震(地震そのものの名称)
津波
東京電力福島第一原子力発電所事故(原発事故の名称)
火災
・仙台市宮城野区の石油タンク火災(コスモ石油仙台製油所)
・岩手県大船渡市のコンビナート火災
・千葉県市原市のコスモ石油ガスタンク火災(LPGタンク爆発)
液状化現象
各種インフラの破壊・停止

・仙台空港や松島基地などの津波・浸水等被害

・東北新幹線など鉄道路線の寸断

・東北道・常磐道をはじめとする道路の寸断

その他の災害

 

名称については、兵庫県南部地震(気象庁)と、阪神淡路大震災(政府)も同じ関係にあります。

 

 

ちなみに、なぜ政府としてわざわざ名前をつける必要があるかというと、政府としての名称とその範囲を確定することで「ここからここまでを今回の災害とします」と決め、被害の支援を国としてどこまでするという線引きを明確にする必要があるからです。

 

二次避難(※)や計画停電など分かりやすい物もありますが、株価の大幅下落など「地震の影響っちゃー影響だけど、政府が補償する筋合いじゃない」ってのもあるので、「どこまでを政府が補償する対象なのか」決めることは、現実的にはどうしても必要になってきます。「災害関連死(自治体から弔慰金がでる、一部国庫負担)」と「避難先で事故に遭って亡くなりました(弔慰金は出ない)」は、やはり政府としては区別せざるを得ないわけです。

 

(※)二次避難…地震が起こったときにとりあえずその場で避難するのを「一次避難」といい、住宅が損壊して住めなくなり仮設住宅などに避難することを「二次避難」と言います。

 

 

というわけで、社会の勉強でした。

 

 

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ところで、この質問をしてくれた子はちゃんと実在します笑

 

 

中1の1学期期末370点台で入塾してくれたのですが、現在中2の期末で430±20点くらいに来ています。このあたりで満足して停滞する子も多い中、この子の場合こういう細かいところ、きちんと質問してくるところを見ると、またさらに一段上がりますね。460とか470に届く日も遠くないと思います。

 

 

今回の所を例にとると、地理の教科書には、「東日本大震災」と「東北地方太平洋沖地震」が太字で出てきます。言葉の違いについて詳細な説明は(見る限り)ありません。

 

 

この言葉の使い分けを質問してきて、どっちがテストで出やすいかまで聞いてくる子が100点を狙えるし、450点を超えていく子です。

 

 

違いに気付いてもそのままにする子は90点どまり。

 

 

他にも「津波てんでんこ」とか「三陸沖地震」などが細字で出てきますが、これらの細字をスルーしちゃう子は80点台で止まります。

 

 

どのレベルまで「しっかり」やるのか、しっかり具合にも差があり、それが点差になるのがテストです。

 

 

今年の公立高校入試でも自己採点で490点の子がいますが、このレベルで「しっかり」やる子でした。

 

 

これが事実です。知らなかった人は知っておきましょう。知って実行に移せた子は伸びるでしょうし、結局変わらなかったら多分そのままです。点数を変えたかったら生活から。どんどん変えていきましょう。

 

 

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