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小学生のうちに意識しておきたいこと【国語編】

近年は、とかく英語について重視されがちです。しかしその大前提になっているのが国語です。

 

 

そもそも日本語の読解力がないと、英語になってもやっぱりできません。分かりやすいのが受動態です。中3の最初に習いますが、例えば

 

 

「ここから富士山が見える」を受動態を使って書く。

 

私たちはここから富士山を見ることができる。

We can see Mt. Fuji from here.

富士山はここから見られ得る。

Mt. Fuji can be seen from here.

 

canと受動態が混在していることがポイントです。

 

 

この変換がピンとこない子が結構います。なんなら、「~し得る」という日本語が分かりません、という子すらたくさんいます。

 

 

最終的に大学入試の英語は、英語ができるかどうかではなく英語を使って思考することを求められます。結構大ごとですよね。大学入試は大学で論文を読み書きするための英語を問いますので、当然それなりのないようになってきます。

 

 

さて、そんなわけで国語力はとても大切です。

 

 

例えば小学生の国語、90点をコンスタントに取れているなら「まあ安心」と思うかもしれません。でも実際には、そこから先が勝負なのです。なぜなら国語は“すべての教科の土台”だから。算数の文章題も、理社の記述も、そして英語を日本語で理解するにも、結局は国語力がものを言います。90点で満足してしまえば、その先の高校受験・大学受験で必ず壁にぶつかります。小学生で学校の単元テスト(カラーテストなんて言ったりもします)が90点は普通です。その先が大切なんです。

 

 

そのためには、まずは語彙を増やすことを大切にしてください。

 

 

「みかん」しか知らない子と、「みかん」「夏みかん」「オレンジ」「ネーブル」の違いを知っている子との間には表現や理解に大きな幅があるのは当然です。言葉とはそういうものです。

 

世界を言葉が表すのではない、言葉が世界を切り分けているのだ。(ソシュール『一般言語学講義』)

 

 

国語の一番の武器は語彙力です。テストで見かける言葉に「だいたい分かる」ではダメ。瞬時に、正確に、意味と使い方を押さえている必要があります。小学生のうちに“難しめの言葉”に慣れておくことは、後の現代文・評論で大きな差になります。

 

 

語彙は一朝一夕では身につきません。毎日の積み重ねが必須。漢字テストを流すのではなく、派生語や熟語まで意識して押さえる。読書もただ読むだけではなく、「この言葉はどういう意味か?」と、時々でいいので親子で会話してみてください。「・・・ってどういう意味?調べて教えて?」と、問いかけてみるだけでも違います。もちろん教えてくれたら盛大に誉めてあげてくださいね。そのためにはすぐ手が届くところに辞書があるといいと思います(スマホは悪くないですが辞書の方がいいです)。

 

 

実際に点を上げるために意識したいことは、「出題者ー回答者(解答というよりむしろ回答)」の関係を意識することです。

 

 

文章を読む時に、「主語はどこか」「筆者が言いたいことはどこに書かれているか」を意識するクセを持つ子は強いです。テスト問題で大切な事は、本文の筆者の気持ちを分かることより、出題者が何を根拠に問いを立てたかを分かることです。国語は文章という素材を用いて出題者と対話をしているのです。テストで90点を超えて安定させたいなら、ただ「なんとなく理解」する段階から、「出題者と対話」する段階へ進まなくてはなりません。

 

 

国語が伸び悩む子の多くは、「同じやり方でずっとやっている」ことが原因です。低学年の時の読み方、答え方から脱却できないんですね。だからこそ、新しい読み方の型を学び、実践し、練習する必要があるのです。

 

 

おうちですぐ実践できることをいくつか。

 

・リビングに辞書を置く

・ニュースを一緒に見て意見を聞く

 

それだけでいいんです。子どもが「言葉を操る練習」をできる場を家庭で作ってやる。小学生の今からそういう積み重ねをしていけば、将来の伸びしろはめちゃくちゃ大きくなります。

 

 

国語は地味ですが、間違いなくすべての学力を押し上げる教科です。今90点を取れているなら、さらにその上を狙うステージに立っている証拠。ここから先、国公立大を目指すなら、国語を鍛えない手はありません。

 

 

まさに開智塾で気をつけていることですので、困ったり相談事などぜひお声かけください。

 

 

おまけ。

 

とても物知りな子っていますよね。ニュースを見たり色んな本を読んだり。それもありますが、実は国語の問題をたくさんキチンと読んで理解しているというのも大きな要素の一つです。開智塾に通ってくださっている小学生の保護者さま、よかったら国語のテキストを開いて読んでみてください。大人でも「ほぉ」と思うようなことが結構書かれています。

 

 

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