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かつての就職勝ち組金融機関(1)金融機関のいろいろ・銀行

金融機関は、かつて文系就職組の人気トップでした。

 

 

と言ってももう30年前ですけどね。今はすっかりそこまで魅力はないようですが、それでも人気が高い部類には入るでしょう。

 

 

理由は

・図体がデカく潰れにくい

・比較的給料が良い

・経済のど真ん中で働ける←意外にこの意見は多い

 

 

 

あたりでしょうか。不人気の理由は

 

・景気後退局面ではいわゆる不況業種

・絶望的に労働が過酷

・給料がかつてほどでもない

・優勝劣敗、合併統廃合がはげしく安定に疑問符

 

 

あたりでしょう。

 

 

それはともかく、金融機関に就職するということを考えてみます。

 

 

金融機関には大きく分けて3種類(銀行・証券・保険)ありますが、便宜上4つに分けます。

 

・銀行

・証券

・生保

・損保

 

です。順番に見ていこうと思います。まず今回は銀行です。

 

 

 

銀行と一口に言っても、実はいくつかのタイプに分かれます。

 

国内のいわゆる銀行

・メガバンク(三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行)

第一地銀(十六銀行、大垣共立銀行)

第二地銀

・信託銀行

 

日本銀行

 

 

政府系金融機関

日本開発銀行、日本政策投資銀行、国民生活金融公庫など

 

信金・信組系(法律的には銀行ではない)

岐阜信用金庫など

・農協、漁協など

 

特殊な海外系投資銀行

・ゴールドマンサックス、メリルリンチ、リーマンブラザーズ(破たん)

 

他にもゆうちょ銀行や農林中金などいろいろありすぎて、こんなに銀行があるのかと言うくらいありますのでこのあたりで。

 

 

 

就活的には、やはり人気があるのが政府系金融機関とメガバンクです。ただし昨今は働き方や銀行の役割も多様になってきて、地方銀行も人気があります。

 

 

政府系金融機関は公務員とまではいいませんが、政策に従って民間でしにくい融資を積極的におこなったり(破たん企業の再生など)、個人の住宅ローンを中心におこなったりと、事業の方向性がはっきりしていることが多いです。民間銀行と違って預金を集めたりしないのが人気という説も。給与は悪くはないですが民間よりは安いです。残業モリモリです。例えばコロナ融資のように政策によっていきなり職員の業務内容が変わったりします。

 

 

日本銀行もほぼ公務員です。こちらはなんとなく就活で受かると言うよりは、しっかり勉強して経済的な知識をきちんと持った官僚タイプです。仕事内容が特殊すぎるので、受けるに当たっては事前にきちんと調べて受ける必要があります。旧帝大以上国公立、関東関西有名私大卒。

参考:日銀採用募集要項

 

 

 

メガバンク…融資業務を中心に、証券業務やトレーダーなど仕事は多岐にわたります。外国の金融機関と直接お金の取引を出来たり(銀行の)資産運用業務などとにかく扱う金額が大きいことが魅力です。しかし近年は支店の統廃合が進み、法人のお客さんに直接会って地道な融資・回収業務をする・・・と言う時代ではなくなってきていますので、半沢直樹(のシリーズ前半)のような融資の世界はだんだん少なくなってきているようです。職員のリストラも進んではいますが、まだまだ上が残っていてなかなか出世できません。うまく出世して40代後半~50歳あたりで支店長になれば年収1500万~4000万あたり。もし人事部に見切られたらどんどん子会社や取引先に出向・転籍させられます。転勤は海外・全国に及びますが、海外は優秀な人が多い。一方、国内転勤でも出世コースから外れると、ずーっと地方支店を回ることに。。。

 

 

第一地方銀行…地元に強いということで、「めちゃくちゃ給料が良いわけじゃないが、地に足をつけた仕事」として人気があります。資金量、融資規模などはメガバンクに及ばないですが、大きく転勤がないこと、とはいえその地域ではトップクラスの給料なので、ワークライフバランスを重視する人にはいいかもしれません。逆に、経営層が地元の重鎮であったり、不況時には結構ハイレベルな大学の人が就職して現在の管理職だったりしますので、そこら辺当たり外れがあるかも?就活ではそれこそ東大レベルから地方私立大学レベルまでいろいろいますが、当地では岐阜大学以上の国公立または南山クラスの私立大学を出ておきたいところです。

 

 

第二地方銀行…第一地銀よりさらにコンパクトな地方銀行で、規模も給料も一般的には下がると思って間違いないと思います。定期的に経営不安説が出る銀行も多いので注意が必要です。一時期のようにいきなり倒産ということはあまり有りませんが、地元第一地銀に吸収されるパターンが増えています(岐阜銀行→十六銀行へ吸収)。吸収されて大きな銀行に行けるなら良いじゃないかと思われるかもしれませんが、そうは行かないのが世の常で・・・。よほど優秀じゃない限りは窓際街道→早々に出向・転籍の未来が待っています。よってあまりお薦めできません。

 

 

信金信組・・・身近な岐阜信用金庫が信金の中では例外的に大きいのでちょっと勘違いしがちですが、一般的に信金信組は小さいです。主な営業地域が近隣2~3市というところが多いです。預金や融資の業務自体は銀行とあまり変わりませんが、取引先に町の商店や個人事業主が多いのが特徴です。もちろん地域の大きな企業とも取引がありますが、優秀な人じゃないと大きな金額を扱うのは難しいかもしれません。役員が地域の商工業者や名士と呼ばれる人だったりして、このあたりのメンバーが優秀かそうでないかによって将来が変わってきてしまうのが辛いところです。給料は地元市役所くらいのイメージです。地方国立大卒、地方中堅私大卒あたりが中心です。

 

 

 

信託銀行…一般の銀行業務に近い事もやってはいますが、法律上一般銀行とは扱いが異なります。銀行では出来ない不動産売買業務や信託業務(富裕層を相手にした遺言信託など)があり特殊な業務です。一般銀行のようにガツガツ営業しないイメージですね。そもそも信託銀行自体がたくさんないことと、たいてい財閥系なので給料はメガバンククラスです。あくまで個人的な感想ですが信託銀行という業態自体が日本独自の謎業態なので、未来永劫この姿が続く気がしません。いずれどこかでメガバンクに吸収されていくのでは?と想像しています。旧帝大、有名私大以上。

 

 

 

一般に、銀行の仕事は猛烈に忙しいです。僕的には他を知らなかったので何とも思っていませんでしたが、毎日7時には出勤、退勤は23時でした。今はさすがにそんなことはないと思いますが、多少IT化したとしても業務が減るはずがないので(それ以上に人も減っていますし)、みなさん持ち帰り仕事をしてるんじゃないんでしょうか。想像ですが。土日も出勤こそしませんが同じようなペースで働いていました。同業のかたにしか分からないと思いますが、自分の担当先は中小零細まで含めて200社程度、融資金額250億、預金金額150億くらいです。それでも仕事が出来る人はどんどん引き上げられて出世していきますし、そうでない人は35歳過ぎくらいから確実に出世コースを外れていきます。

 

 

 

 

 

次は証券業界についての予定です。

 

 

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