将来の希望は?
2024年03月10日
最近すごく多いのは男子IT系、女子医療系でしょうか。そういう印象を持ってはいましたが、やはり数を数えてみたらそうでした。
手に職をつける=資格を持つということで、お父さんお母さんの願いがすごく伝わってきますね。
早い段階で決めて目指すのも手ですし、成績を見ながら視野を広げていくのもまた良いと思います。
最近特に多い「薬剤師」を例に、進路を考える時の視野の広げ方を書いてみようと思います。
薬剤師を例に取っていますが、他の学部学科でも同じ事が可能ですので是非やってみてください。
(総合型選抜を狙う子にも役に立つと思います)
1.学部学科についての下調べ
全国のどこに薬学部があるか調べましょう。薬学部については非常に便利なサイトがあるのでご紹介しておきます。
全国の薬科大学及び薬学部のある大学 (jpec.or.jp)
さらに、一般に「薬学部」と言われますが、
たとえば北大の場合、4年制の「薬科学科」と6年制の「薬学科」に分かれています。
薬学部・薬学研究院の概要|薬学部・大学院薬学研究院|北海道大学 (hokudai.ac.jp)
4年制の方はいわゆる「創薬」、つまり研究開発系ですね。薬剤師資格は取れません。薬剤師資格は6年制の薬学科に行く必要があります。
「だったら普通6年制に行くよね?」というのも早計で、4年制の場合はその後他の学部の子たちと同じように大学院修士課程に2年行き、製薬メーカーや食品メーカー、その他さまざまな企業に就職していきます。もちろん大学で研究者という方もいらっしゃいます。上位大学から就職となると世界的な大企業という夢もありますね。給料もいいです。(医療用医薬品最大手は武田ですが、30~40歳くらいで平均で1000万超えます。出世が早い人や専門の研究職だとさらに数百万プラスです。
また、岐阜薬科大学のように両方のいいとこ取りの大学もあります。
(とはいえ、研究職としての基礎を勉強しながらさらに国試の勉強するのはめっちゃ大変だと思うのですが・・・)
ちなみに、「薬剤師」さんというと薬局のイメージが強いですが、
岐阜県職員「薬剤師」を目指す方へ – 岐阜県公式ホームページ(薬務水道課) (gifu.lg.jp)
資格を持った上で公務員(専門職)という手もあります。許認可とか啓発とか(時期によってはコロナ対応)などなど。給料は武田というわけには行かないでしょうが、ちょっと変わった目線で人の役に立ちたい人には良いかもしれません。
2.実際に現地に行ってみる
大学見学というとオープンキャンパス(以下OC)が思い浮かびますが、それはそれとして、実際に自分で行ってみましょう。家族旅行のついでに大学見学を組み入れるといいですね。
OC自体も悪くないのですが、あくまで受け身の観光ツアーです。それはそれとして、自分の目で見て足で歩いて実体験して欲しいと思います。
平日はたいてい、土日も大学によっては学食を使えますし(一般人でも普通使えます)、大学内には一般向けに博物館や研究展示施設、薬草園などがあったりします。
薬草園の紹介|薬学部・大学院薬学研究院|北海道大学 (hokudai.ac.jp)
(薬学系は薬草園を持っているところ多いです)
授業に潜るのは今は無理ですかね。昔は他大学の学生が知らんうちにいたりして面白かったですが。
実際に自分の目で見て肌で感じて、食べて、ついでに生協で大学グッズを買って帰ってくるとモチベーション上がりますよね。
3.その大学でやりたい事、面白そうな事を探してみる
自分で明確にやりたいことが決まっていない場合はもちろんのこと、決まっていたとしてもその大学の教育が何を目指しているのかを知りましょう。知り得た知識は自分の将来への目標にもなりますし、総合型選抜入試にも役に立ちます。
国公立大学の総合型・学校推薦型選抜入試 | 開智塾丨各務原・関・美濃・美濃加茂・富加の進学塾 (kaichijuku.jp)
まず目を通して欲しいのは大学のパンフレットです。
主要どころは塾に置いてありますが、ホームページの何倍もの情報量があります。意外にみなさんきちんと読んでいないんじゃないでしょうか?
(そして何より大学のHPってめちゃくちゃ分かりづらいんですよね。大学という組織を知っている前提で作られているのがほとんどで、高校生が見て目的のところにたどりつくのはほぼ不可能なのでここら辺は特に国公立大学には改めて欲しいところです)
パンフレットは、エラい人の言葉から始まってここの大学ではこれに力を入れていますというのがしっかり書かれています。そこに自分将来への種が転がっています。
ほとんどの大学で今はオンラインでパンフレットが見られます。
出来れば現物を手に入れてみてください。(ちょっとお金がかかります)
すごくしっかり作ってあります。各大学の特色が本当によく表れていて面白いですよ。
また、特に見て欲しいのは大学院のページです。
大講座・研究室|岐阜薬科大学 (gifu-pu.ac.jp)
↑こちらは岐阜薬科大大学院のページですが、たいていどの大学も大学院のページを見ると「この大学では何を研究しているか」が分かります。どの大学も何から何までやっているわけではなく、その大学ごとに特色があります。どの専門分野を特に研究しているのか、どんな先生がいるのかが分かります。
興味のある分野があったら、次にその分野の教授や准教授(昔の助教授ですね)の名前でgoogle検索してみましょう。たいてい論文などが引っかかってきます。もちろん素人にはほとんど分からないのですが、分からないなりに見てみるだけでも大きな進歩です。
ちなみに、気になったり知りたいと思ったことは大学へ直接問い合わせてみてもよいと思います。実際に過去何回かメールや電話をしたことがあります。「こういうことをやりたいという生徒がいるんですが、そちらの研究室でいいのでしょうか?」とかですね。(メールは面倒なら最悪無視されるだけなので、痛くも痒くもありませんが、無視されたことは一度もないです)
余談ですが授業で出てきた事を問い合わせて大変ご丁寧に返信をいただいたこともあります。
科学者を目指すみんなへ | 開智塾丨各務原・関・美濃・美濃加茂・富加の進学塾 (kaichijuku.jp)
可能であれば、実際に訪問したいとお願いしてみるのも良いと思います。教授直々に相手をすることには多分ならず、学部職員の方か大学院生なりが対応してくれることになるでしょう。30分程度でいいので研究室を見学させてもらいたいです!みたいな感じですね。意外に通ります。
以上、自分で出来ること、おうちでも出来る事、塾でお手伝いできることを書いてみました。
他にもまだまだやれることもありますが書き切れませんのでこれくらいで。
他の学部学科はもちろん文系の学生でも十分やれることですのでぜひやってみてください。