開業医になる
2022年10月17日
子どものなりたい職業ベスト３くらいにいつも入ってくるのが「お医者さん」です。
本人がなりたいのか、親が言わせているのかは別として･･･(–;)
このシリーズ（？）はテーマが就活なので、ちょっと離れた話ではありますが、実際どんなもんなのか。
「医者 開業資金」とかで検索してみてください。他業種と大きく違う事が一つあります。それは、「開業支援」とか「開業コンサルティング」などと謳う謎業者のホームページが大量に出てくる事です。
簡単にいってしまえば「医者を客にすれば儲かるだろう」という謎業者が大量にいるということです。そして、多くの業者が「親切を装って」うちに頼めば安く開業できますよ、なんていうセールスを展開しています。
あるHPでは「内科医開業で６０００万円くらいでいけます。１億は掛けすぎです。悪い業者に騙されていますよ～」とか書かれています。本当でしょうか？
お医者さんを選ぶときにみなさんは何で選びますか？
医者の腕？
評判？
医師の印象？
実際には、
１．建物（近くにあるきれいなところが選ばれます）
２．口コミサイトの評判（誰が書いたか、正しいかは問題ではありません）
３．実際に行ったひとの感想
です。「医師のうで」みたいなのは出てきませんね。そりゃそうです。素人には分からないからです。どんなお医者さんも、一度は「あそこはヤブ医者だ」なんてクソみたいな評判を立てられた経験があるのではないでしょうか。
ちなみに、インターネットには医者の口コミを書くサイトが大量にあり、有料契約をすると良いこと書いてあげますよ、なんてところばかりです。（お金を払わないと放置されるか、下手すると悪口書かれます）
つまり、開業医になるなら初期投資で内装・外装やHP、もちろんわかり易い先端医療機器にお金を掛けるのは必須なわけです。最近じゃ個人医院にＣＴスキャンが置いてあったりしますよね。
多分、開業医になるには今どき初期投資６０００万程度じゃ開業即閑古鳥です。きれいな建物じゃないと患者さん来ませんからね。（心療内科を除く）
医療機器は専門外なので、せめて建物くらいは金額を考えてみましょうか。
たとえばコンビニの建物。割と簡素な作りと思いますが、０から作ったら３０００万くらいかかります（内外装込み）。某回転寿司店舗、１億円。建物だけでそれだけかけないと、商売って出だしでコケてしまうんです。
ズバリ、医者になって開業しようとすると一般論として最低「１～２億円」必要という話です。最近じゃあ、親だけで返済できないから子どもにも医者になって継いでもらって親子リレーで返済するなんてのが普通なんですよね･･･。
余談ですが、お医者さんは普通、民間の銀行などから借入をしません。
お医者さん専用の信組があって、そこから低金利で借ります。「医大入学・進学専用教育ローン」（限度額５０００万）とかあって、なかなかアレですよね。まぁ私大の医学部になにがなんでもみたいなときとか。
ちなみに、開業医さんは、宣伝広告にも厳しいガイドラインが定められています。
医療法における病院等の広告規制について ｜厚生労働省 (mhlw.go.jp)
ガイドラインを守っていたらほぼ広告としての効果が成り立たない気がしますので、折込チラシってわけにもいかない感じですね。そりゃわけのわかんない業者が跋扈するわけです。
ですから、サラリーマン家庭から医者になった方はなかなか個人で開業するのは難しい。一旦開業してしまえば意外に潰れないってのも事実ですが･･･。
なわけで、開業できない場合はたいてい病院の勤務医となります。もちろん給料は一般サラリーマンよりは良いに決まっていますが、使うところがない。いやあるんですが、なんつーか基本働きづめなので車とか家とかをちょっといいヤツにして。それでも部長や教授よりいい車は乗れないからまぁベンツかBMWか。マセラッティはちょっと無理か･･･とかそんな感じです。年収１０００万円台前半とかが平均と言われています。
↓どの程度信じていいか分かりませんので、まぁ参考までに。
医師の年収・給料はどのぐらい？1,855名の医師の最新アンケート調査 | 医師転職研究所 (dr-10.com)
ちなみに開智塾は開業資金５０万円（うち、コピー機２０万円です。あと３０万円は不動産の保証金、最初の月の家賃、小さな看板）です。黒字転換したのは開業半年後だったのでまぁ運が良かったです。そしてこれまでなんとか生きて来れました。あはは。年収？ほとんどの年はなんとか家族が暮らせる程度。０の年も何度もありました。そんなもんです。
