ドル円市場、日銀の「実弾」介入。何が起こっている!?
2026年05月02日
連休中です。
4/30に日銀の為替介入がありました。
グラフ(ローソク足といいます、15分刻みで10日間)を見ると明らかに異常な動きをしているのが分かると思います。
日銀の介入は、注意して見ているととても面白いです。札束の殴り合い!というか一方的にぶん殴ってる!(ただし兆円規模!)
何が起きた!?と気になるところだけでも読んでくださいね!☺
とはいえとても長い記事ですので、見出しのお好きなところだけどうぞ!
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1部「ドル円の基本的な話」中学公民レベル
ちゃんと学べ!って人向け。
2部「日銀の為替介入」高校政経レベル
今回何があったの??って人向け。あと高校生。
3部「個人の投資の話」???レベル・一番役に立つかも?
パパママ向けにはここ。正直メイン、でも一番短い。
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↓この線を目印にどうぞ~
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1部・「ドル円の基本的な話」中学公民レベル。なげえ
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ちょうど連休前に「円安?ドル高?」とか聞かれて(定期的にこの話題聞かれます)書いていたところでした。
ドル円の話は中3の公民、高校でもやりますね。
分かりづらいところですので、いったん整理しておきます。
まず抑えるべきは、いくらになったら高いとかいくらなら安いとかで決まるのではありません。
例えば今は「円安ドル高」ですが、「昔に比べて」とか「他の(経済指標から考えて)」という文脈で使います。
昔 $1=75円(2011年)
今 $1=160円
昔(2011年)に比べて今は「円安ドル高」の状態です。
分かりにくい人は、「1ドル札をいくらで買えるか?」と考えてみてください。
$1=75円のときは、75円で1$札が買える。
今は、
同じ1$札を160円出さないと買えない。
=
1$札が値上がりした
ととらえます。キュウリ1本75円だったのが160円になった、くらいのきもちでOKです。
これが「キュウリ高」(ドル高)で、逆に言えば円安ってことになります。
では、円安になると得するのは誰か?
結論、輸出企業が得をします。
例えばトヨタが車を作ってアメリカで売るとしましょう。
プリウス1台だいたい3万ドルです。
トヨタはアメリカでプリウスを1台売って3万ドル手に入れました。
で、そのお金を円に替えます。日本の会社ですからね。
ここで為替相場がでてきます。
アメリカでゲットした3万$を円に交換します。
もし1$=75円だったらいくらになるでしょう?
3万$=225万円です。
でも今は1$=160円なので、
3万$=480万円です。
同じ3万$なのに、エラい違いですよね。
円安になると、輸出してドルを手に入れる企業が得をする、というわけです。
逆に、輸入する企業は痛手です。
外国で物を買って日本で売るのが輸入企業ですが、支払はドルであることが多いです。
ということは、160円払って1ドルを手に入れ、ドルで支払いをするわけです。
代表的な輸入企業、ニトリの株価とドル円相場のグラフを重ねてみましょう。
赤線がドル円で、右肩上がりに「円安ドル高」になるのに従って株価はどんどん下がってます。
(グラフの数値は一番左を両方とも100スタートで見るのでちょっと分かりにくい)
円安ドル高になると原材料費や輸入する物の値段が「日本円で換算すると」上がっていくわけで、会社としては辛い。(ので、為替予約や通貨オプション、デリバティブなど駆使して極力損失を回避したり限定したりします)
といっても、ニトリの株価の原因が何でもかんでもドル円のせいってわけじゃないので、その点はご注意を。でも大きく影響は及ぼしているのは確かです。
良かったら思いつく企業を検索して、ドル円レートを重ねてみてください。10年くらいの長期で見た方が分かりやすいと思います。
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2部・「日銀の為替介入」高校政経レベル。なげえ
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で、今回の為替介入です。ここからは高校の政経の分野に入っていきますね。
ずっと円安基調でした。
理由はシンプルですが、仕組みはちょっと複雑です。
なぜ円安だったか?超簡単に説明。
1.円(日本)の金利が低く、ドル(アメリカ)の金利が高いから。
同じお金を運用するならアメリカの方が利息がいい。シンプルな理由はこれです。
NISAなどで「オルカン」とかやってる方は、利回りにビックリされると思います。10%とか普通に出ますよね。(ただしドルベース)
2.ちょっと複雑な仕組みは、円キャリートレード。
で、ドルで運用するためには、そもそもドルを持っていないといけない。
これをそのまま市場で買うときに、機関投資家(大きな運用会社)はこうしています。
①円を日本の銀行で借りる。世界的に見たらまだまだ超低金利。
②借りた円を即ドル円市場で売ってドルを買う。
③買ったドルをアメリカで投資。金利高い。
これを「円キャリートレード」といいます。
この1.2.の組み合わせで、ずっと円が売られ、ドルが買われる動きが続いてきました。
円安がずっと続いているのはこの動きが大きいからです。
さて、超なげえ説明パートでも書きましたが、円安があまりに続きすぎると輸入企業には大きなダメージです。そして、輸出企業も得ばかりではありません。どうしたって部品を輸入したりしますからね。ドルを買って支払うってのは、今や世界中で経済活動をしている企業ならどこでも必要です。
一番困るのは、相場が片方に傾きすぎること、不安定なこと。
で、日銀は相場を安定させようと動きます。なんぼ相場=市場原理でも日本企業が困るようじゃいけない。
あまりに円を売りまくってる人(機関投資家など)に警告するわけです。
「あんまり円安にしすぎるなら、国の力で相場動かすぞ!動かしたらすげー損がでるからやり過ぎるなよ!?」
と。
日銀が本気で相場を動かすと、一気にドル円レートが数円動きます。
例えば3円円高になると、トヨタの利益は1200億円吹き飛びます。
三菱商事の利益は300億~450億吹き飛びます。
だから急激に動いたら困るんですね。
恐る恐るドル円の売買をやってる。
通常は財務大臣とか日銀関係者の発言があるだけでも相場が警戒します。
「口先介入(くちさきかいにゅう)」などと言いますが、
過去の口先介入(円安牽制)の主な発言例
・「(ドル売り介入)スタンバイです」(神田真人財務官、2024年4月)
円安が極限に達した局面での、非常に直接的な介入予告として機能した。
・「過度な変動は望ましくない、行き過ぎた動きに対しては適切な対応を取りたい」(鈴木俊一財務相、2023年8月など頻繁)
この発言だけで相場がグイッと動きます。
でも、これって発言だけで何もしないと「オオカミ少年」、何度もやっていると効果が薄れます。
そこで、「いや、オオカミ少年じゃないぞ」と警戒心をマックスで抱かせるのが「ときどきマジでやってくる」パターンです。
そのため、ときどき日銀は実際に相場にお金を使って相場を動かしてきます。口先介入に対して「実弾」とか言ったりします。物騒ですね。
今回は実弾介入でした。
ここからおもしろい。
GW直前、4/30。
・片山財務大臣「いよいよかねてから申し上げてきた断固たる措置を取るタイミングが近づいている」
・同「ご外出の時もお休みの時もスマホを離さずに」
・三村財務官「これは最後の退避勧告」
このとき、$1=160円を突破していました。
今思えば「ご外出」ってGWでお出かけするとき、のことを指してるんですね。
実弾介入は、文字通り日銀が実際にお金を使ってドルを売って円を買うことで円高に動かすことです。
みなさんなら、どのタイミングでやりますか?
実際にお金を使うわけですから、
・最も少ない金額で最も大きな効果を生みたい。
・今後も実弾を使わなくていいよう、口先=オオカミ少年ではないと印象づけたい
これが日銀の思惑です。
ドル円市場は24時間動いています。
実施されたのは、
4/30、夜間、東京市場、5.5兆円規模。
日銀の実弾介入は1年9ヶ月ぶりです。
5円くらいものの数時間で動きました。
なぜ4/30?
・日本が連休に入って市場関係者が少ない。
なぜ東京市場の夜間?
・日本の証券会社などが勤務時間ではなく、市場参加者が少ない。
人出が少ない(板が薄い、などと言います)ところを狙って一気に動かしたわけです。
市場関係者からすれば「うわ、やっぱこのタイミングで来たか!!(結果論だけど!!)」って感じでしょうか。
できるだけ少ないお金で一気に動かしてインパクトを極大化するには、GWは良いタイミングなんですよね。
冒頭のグラフは一気に下がって(円高)いますが、全て日銀のお金ではありません。
日銀が動いたから、一気に「投げ売り」がでます。
(その証拠に直後に「買い戻し」が入っています)
日銀は最適なタイミングできっかけとなる実弾をぶち込むわけです。
で、売りが連鎖して一気に下落(円高)します。
こうして、市場を時々実力でひっぱたいて動かすわけですね。
今後当面$1=160円を割り込んでいくことはないでしょう。
ところで、その「実弾」、どこから持ってきてるの?と思いませんか。
「ひょっとして我々の税金!?」
まぁまぁ、そう熱くならないで。
「そのためのやり方」が決まっています。
- 財務省が「政府短期証券」を発行: 国債の一種である政府短期証券(FB)を市場に発行し、民間金融機関などから円資金を調達します。
- 資金の調達能力: 市場の需要がある限り、この証券を発行して円を調達できるため、介入原資は理論上「無限」と言われます。
- ドルの購入: 調達した円を外国為替市場で売り、ドルを買います。
日本銀行における外国為替市場介入事務の概要 : 日本銀行 Bank of Japan
ちなみに逆パターンの介入も定められています。
- 外貨準備の活用: 過去のドル買い介入で積み上がったドル資産を使用するため、無限にできるわけではなく、保有するドル残高に限りがあります。
1.2ともAIによるまとめ
誰がどうやって動かす?
決定者: 財務大臣
実務者: 日本銀行(財務大臣の代理人として)
資金源: 外国為替資金特別会計(外為特会)
という仕組みです。
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3部・「個人の投資の話」一番役に立つかも?
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個人の相場観がかなり入ってますので、あくまで一見解として見てくださいね。
僕は積み立てNISAのオルカンなどドルベースの投信は全て先月$1=159円くらいのタイミングで売って円に戻してました。えへへ。160円が介入ラインと思っていたので。出したときの利回りは15%超えてました。すげえ。
今また全部オルカンに一気に突っ込めばいいんですが、諸事情により現金が動かせない(国内株信用買いの種銭しばり😭しかも超含み損😭)状態なのでとりあえず積み立て金額を少し多めにしてる感じです。でもオルカン買うなら今ですよ!ドバッと買っちゃいましょう。(投資は自己責任で)
投資信託はちょっとな・・・「あ!ドルそのものを買えばいいんだ!」と思った方、正解です!これ、実はお子さんにもオススメです。自分の外貨預金口座にドルを入れておく、円安になったら出す※。これだけでお金が増えます。計算なんかも自分でちゃんとしましょうね!ニュースでドル円見て、世界情勢と結びつけて考えられるようになると計算も地理も強くなります。分からなかったら聞いてね!
※注意点。実際に使わないならキャッシュじゃなくて通帳作って口座に入れておくだけにしましょう。実は銀行でドル円を交換する際、口座に入れるだけなら手数料は$1あたり50銭程度(この手数料を載せたレート、円→ドルをTTS、ドル→円をTTBといいます。窓口で言えるとちょっとカコ(・∀・)イイ!!)ですが、キャッシュにするとさらに2円くらいかかります。理由は、キャッシュは現物を運ぶコストが銀行側にかかるからです。窓口だとレートも「その日」または「午前・午後」で決まるので、刻々と相場を見ながら・・・みたいなのは出来ません。そういうのがしたい人は銀行・証券会社にオンライン口座を作りましょう。レートを見ながら「えいや!」って出来ます。ドキドキ。買った瞬間から含み損になったりして、もうギャンブル。クリックしたらそっと閉じましょうね。
住宅ローン、変動の方はそろそろだと思います。といいつつ僕はまだ変動のままです。どうしよっかな。そろそろ固定かなと思いつつ、もうしばらく変動で引っ張ると思います。金利上昇が思ったよりゆっくりなので。といっても多分6月に利上げ(日銀・金融政策決定会合がある、このまま行けば多分利上げ)すると思うので、固定にする方は5月中にしておきましょうね!良いタイミングだと思います。手数料は1~2万くらいだと思います。もう残り数ヶ月とかの人は不要です。手数料の方が高いです。
ちなみに他行借り換えは、登記費用(担保付け替えになる)とか手数料とかで数十万かかります。それだけ払っても得をするくらい金利が下がるなら良いですが、おそらく今ローンを持っている人は借りたときにそれほど高金利じゃないと思いますので、借り換えは損だと思います。フラット35なら金利固定なので問題ないです。
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