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算数から数学へ、壁になる事

小学校の算数と中学校以降の数学では大きくいろいろなことが変わります。

 

 

いろいろあるのですが、ここでは特に気になる2点を挙げておこうと思います。

 

 

1つは計算の仕方です。

 

 

小学校時代に「計算ミスをしないように丁寧に書きましょう」と言われるので、デキル子ほど途中式をせっせと書いて、結果ミスを出してしまう子が結構います。この点は以前にも書いていますのでさらっと書いておきますが、人間は書けば書くほどミスが出る生き物ですから、省略できる計算は省略し、暗算で出来る範囲は暗算でやってしまいましょう。時間の短縮にもなりますし、画面(ノート面)がスッキリしてより思考しやすくなります。ただし、どの程度の暗算が出来るのは人によって違いますので自分なりに暗算可能な範囲を見極めていきましょう。

 

 

 

今回はもう一つ、図を書くことについてです。

 

 

小学校では、「算数で図を書くのは出来ない子のための補助」とか、「文章を読んでパッと式を立てられるのがすごい」みたいな風潮があります。もちろん数学ではこれは間違いで、図に書いて解決するのならどんどん図にしていきます。ちょっと複雑な問題だと図にしないと何をやっているか分からないことも多々あります。(超級で出てくるような、行ったり来たりする問題とかそうですよね)

 

 

何でもかんでも図にする必要はもちろんありませんが、ちょっと複雑だなと思ったらどんどん図にしていきましょう。すると以外にシンプルな問題であったり、問題の核心(つまり、求めるべきところ)がわかり易くなったりします。さらに高度になれば、距離を求めるときに時間-速さのグラフ(高校物理で言うところのv-tグラフですね。中学入試では必須の基本ですが)をうまく使って面積計算に持ち込む・・・なんてことも出来たりします。

 

 

 

数学はどんどん抽象化していきますから、数字で1つ1つ足したり引いたりしていたことを分数や小数、負の数やルートを使ってもやっていくことになります。図を書き慣れている子はうまく図を書いたり、または図を書けないような抽象的な問題でもうまく考える(抽象→具体)ことが上手だったりします。

 

 

 

中1、中2の数学を見ているとこの「計算だけはとにかく丁寧に書く」か、「全く図や途中式を書かない」の両極端をよく見かけます。「うまく図や計算式を書き、細かい計算は暗算や端っこでちょこちょこっとうまくやる」みたいなのが理想的な解答だと思います。

 

 

 

実際どんな感じですかって?そう、それは教科書を見ましょう。教科書には適切な図と計算式が、学年に合わせて書かれています。例えば小学校の教科書に書かれている計算過程、通分などは中学や高校の教科書には書かれていません。学年に応じて「それはもういちいちここに書かなくていいでしょう、端っこで自分でやってね」というものは順次省かれていくのが教科書です。よく出来ていますよね。

 

 

 

教科書の解答をマネして書いてみましょうというわけではなく、教科書では何を書いて何を省略しているかをよく見てみましょう、という意味ですよ。算数や数学で苦労している方はぜひ参考にしてみてください。

 

 

 

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