国語の勉強法のヒント
2022年05月08日
近いうちに「国語の勉強法」という親子塾をやろうと思います。何年か前にもやっていますが、再編集して再び。
今日は、その中でも一つヒントになる事を書いておこうと思います。とてもとても参考になりますからしっかり読んでくださいね!
「15字以内で書きなさい」という問題がありますよね。
よく「字数制限の9割埋めなさい」なんて言われて、「15字以内ならだいたい12~14文字くらいか・・・」なんて言われますが、これにはきちんとわけがあります。
簡単な例として、次のような問題を考えて見ましょう。
本文
その時彼は、目の前をおおきな黒い影が横切るのを見た。ぐったりとした雛鳥をくちばしにくわえ、巣に向かう一羽のカラスであった。
問い
彼が見たものはなにか。
これは悪問です。というのも、これでは答えがいろいろ考えられるからです。
答えのパターンとして考えられるものを挙げてみます。
黒い影
おおきな黒い影
目の前を横切るおおきな黒い影
カラス
雛鳥をくわえたカラス
ぐったりとした雛鳥をくちばしにくわえたカラス
ぐったりとした雛鳥をくちばしにくわえ巣に向かうカラス
…
ざっと抜き出しで考えるだけでもこれだけ考えられます。多少手を加えればもっといろいろ考えられるでしょう。ここら辺が「国語は正解がない」と言われてしまうゆえんかもしれません。
が、出題者はちゃんと答えがあるように作ります。そう、字数制限です。
今回の問いを「5字以内で書きなさい」にするとどうでしょう。
上記の正解例のなかから、一気に「黒い影」または「カラス」の二つに絞られます。すると、最適解は「カラス」です。「黒い影」でも指しているものは同じですが、複数あるならより具体的でクリアな方を答えにするからです。
逆に「30字以内で答えよ」だとどうでしょう。
①ぐったりとした雛鳥をくちばしにくわえたカラス(22字)
②ぐったりとした雛鳥をくちばしにくわえ巣に向かうカラス(26字)
②あたりが正解で、①だと部分点といったところでしょうか。それ以外は多分×です。
こうして、出題者は問題の中に正解へと導くためのルールを設けて誘導しているのです。国語の問題の作成者は、「あれもこれも答えになり得る」が一番困るのです。回答者はそこをきちんと見抜くことが大切です。
というわけで、国語で大切な事を一つ書いてみました。他にも色々ありますが、あとは親子塾で!5月中には何とか実施したいと思っています。