ブラック部活
2022年07月22日
という言葉がありまして。
過酷な長時間練習を課す〝ブラック部活動〟から子どもを守るガイドライン|@DIME アットダイム
「子どもの健康を守るために、部活はこの範囲内に留めましょう」
というガイドラインです。ご覧の通り、スポーツ庁から出されているものです。
まだお子さんが小学生で知らない方もいらっしゃるようですから、現実はどんな感じなのかといいますと、まずほとんどの学校でこの水準が守られています。
「部活については」
ですが。
実は学校や部活によって、「部活動」以外に「クラブ」というものが存在している場合があります。
これ、○○部に所属する子は自動的に所属させられる、事実上の部活なんですが、あくまでも体裁は「学校の部活ではない自主的な活動」ということになっていますので、上記ガイドラインの対象外になるという解釈だそうです。
本来子どもの身体を守るためのガイドラインですが、表向きガイドラインを守っているのに子どもの身体が限度を超えて酷使されるというちょっとおかしな状況に陥ってるところが多々あるんですね。
ヤバすぎる話を一杯聞いていますので、書いておきますね。
・クラブは「学校の活動ではない」ので、全て保護者の責任。親が毎日夕方~夜まで交代で管理しにくる。(平日・土日問わず当番制)
・クラブに参加しない子は試合には出られない。
・必要な金銭等(会場費やコーチ代:先生は来ないので)は全て自己負担。
・当番制の管理をしない場合、ペナルティとしてレギュラーメンバーを練習試合や大会会場に送迎しなければならない(我が子はレギュラーにはなれない)。
・クラブへの出席度合いは部長やパートリーダーなどによって先生に逐一報告されている。
なかなかのやばさですね。
なぜこんなことが行われているのかというと、「教師と親の勝利至上主義」が問題だ、といわれているのですが、
…そんな「きれい事」では済まされない闇がさらにありまして。
先生が「今度の大会で勝てば○○高校にスポーツ推薦してやるぞ」と特定の生徒と親を煽るんですね。そうすると、チームプレイなんで他の子が休んで試合に負けたりすると我が子の進学に影響が出てくる。だから他の子を巻き込むわけです。「塾と学校の部活とどっちが大事なの!!??」みたいな感じですね。まぁこの時点で部活とクラブの違いはどこ行ったの?って感じなんですが。もはやそんなことはどうでもよくって、「塾の方が大切」だなんて、口が裂けても言えない雰囲気です。だって、そう言うタイプの保護者さんって、ねぇ・・・ちょっと怖い系の方多いじゃないですか。
これ、チームプレイのスポーツだけじゃなく吹奏楽などでもよく聞く話です。
秋に定期演奏会やるような学校だと、3年生の10月とかまで毎週土日学校に行かなきゃいけないとか割とあります。(あくまで「部活」は土曜だけなんですけどね、「自主練」があるんですね。)
うちの塾が某中学校の吹奏楽部の方をお断りしているのはこのためです。中3なのに夏期講習1回も来れませんでしたなんて話がありましたし。これではお金をいただいて成績を上げるという仕事は成り立ちません。(でも大丈夫ですよ、出席しなくてもお金さえ払えば大丈夫な塾は他にいくらでもあります。皮肉ですが。)
部活とは違いますが、小学生のクラブチームではさらに過激な話もあって、クラブチームだから平日夜練習するんですね。19時~21時くらいとか。そもそも小学生がスポーツする時間なのか?って思いますがそれは置いといて。
怖いのはその先で、クラブチーム内でレギュラーメンバーになるために、さらにそれが終わってから別の「塾」にいくんです。そこでは個人指導のような形で苦手な技術を特訓したり戦術を学んだりとか、、、結果、週に10個とか習い事(といっても同じスポーツなんですが)に通っている子がいるという。終わって23時とかはザラにあるそうです。当然子どもなので大人の言うがままにやるわけで、怪我などが頻繁に起きますが、休むとも言えずいよいよ動けなくなるまで変な姿勢になっても走り続けるわけです。で、整体とかマッサージとかに通ってる。これ、全部小学校低学年の話です。
さて、近年「先生の労働が過酷すぎる、原因の一端は部活にあり」ということで部活動を外部委託する話が急速に進んでいますが(つまり、地域のスポーツクラブなどに任せて学校ではやらないという動き)、より一層良くない方向に進んでいく可能性もあり、心配ですね。
本来、スポーツとか音楽って、心身の成長とともに喜びや楽しさがあるはずなんですよ。僕も吹奏楽やってて楽しかったし、高校時代は勉強そっちのけでやってましたから当然好きで応援したいんですが・・・。「強い」といわれているある学校の吹奏楽部の定演に行ったら(そもそも吹奏楽で「強い」という表現が好きじゃないんですが)なかなかのうまさなんですよね。けど生徒が全然楽しそうじゃない。なんなんだこれって思っちゃったって話でした。