中学校の部活選びについて
2022年11月23日
3学期頃になったら「小6保護者さま向け親塾」(保護者説明会)で詳しくお話ししますが、概要だけ。
中学校の部活は昔と違って「全員強制」ではなくなりました。必ずしも入らなくて良い学校がほとんどです。
部活をやっていなくても通知表に影響はありません。最近は学校部活じゃなくて外部のクラブチームとかでがんばっている子も多いですからね、そっちでどうぞってな感じです。
とはいえ、全てノーマークで大丈夫かというとそうではありません。
・一部の部活だけ異常に顧問(または外部コーチ)が熱心で土日遠征が入る
・部活をやめると顧問の科目の通知表を下げられる
・逆にある科目はどんなにその技術に優れていてもその先生の部活に入らないと通知表は3しかもらえない
・「部活」(学校管理下)の他に「クラブ」(保護者管理)があり、自由参加の名目だが事実上参加必須(塾などで休むとレギュラーにはなれない暗黙のルールがある)、しかも平日夕方から親が交代で中学校まで監督しに行かなければならない。
結構ヤバイですよね。開智塾でも、いくつか「○○中の△△部の人は基本的にお断りしています」というのがあります。授業に来られないとか休むとかが多いので、責任を持って見させていただく事が出来ないんですね。もっとはっきりいえば、暗記テストや宿題がろくに出来ないんです。(そういう方は個別塾で時間変更自由なところに行くか、お金さえ払えばなにも言われない大手塾さんに行く方が良いと思います。)
もし本人がちゃんと勉強をやろうと心に決めて「部活をやめたい」といっても、「部活をやっていてもちゃんと勉強出来る子もいる。言い訳するな」と言われて泣く泣く帰ってくるというのもよくある話です。両方ちゃんと出来る天才さんならいいですけど普通の子には無理です。(というかそこまで言うなら勉強の面倒も見てあげたら?って思いますが・・・)
団体系の部活では大会やら演奏会やらが終わるまでやめさせてもらえないことが結構あるのですが、ここには顧問やコーチと特定の保護者の密約があったりします。「今度の大会で勝つとうちの子は推薦がもらえる!だから今抜けられてチームの力が下がったら困る!」というヤツです。場合によっては中3の秋や冬まで土日潰してやらされたりするんですが、なんで他人の子の推薦のために犠牲にならなきゃいけないの?って感じです。
この手のヤバイ系の部活はもちろん具体名をここには書けませんので、3学期の「親塾」でお伝えします。保護者さまでも事前の情報収集を怠りなく。
さて、親自身としてどう向き合っていくか。
「子どもが頑張っているから親がやめろというのも・・・」というお気持ちも分かります。子どもは頑張るもんです。最近の子は真面目ですよね。頑張るのはいいのですが、頑張ることが目的化してはいけません。勉強だろうがスポーツ芸術だろうが、全て最終的には結果を求められます。もちろん結果が全てではありません。が、結果も出せないのに過程だけ美化しても満足できるのは親と顧問だけです。「いいの、うちの子は学生のうちに思い出を作れればいいの!」という派閥の方はそれで結構なのですが、将来ちゃんと働いたり生活したりすることを考えるとどこかで線を引かなければいけません。通常子ども自身には線引きする力はありません。線引きは親が責任を持ってしてあげてください。「うちはこっちの道だから」と言い切れるのは親だけです。
その道をちゃんと走るかどうかは子ども本人の力も関わってきますが、「部活をやめたからといって勉強するとは限らないからなぁ」というお話もごもっともです。でもこれ、ゲームやyoutubeでも同じこと言いますか?「本人が頑張ってるからゲームを思いっきりやらせてあげよう。勉強と両立出来るようにサポートしてあげよう」ってなるでしょうか。好きでやりたくて頑張っていることでも、時には我慢して「やらなきゃいけない事」に全力投球することを教えるのも必要ですよね。「両方頑張ってるのを応援する」というのは聞こえはいいですが客観的に見ると「どっちも中途半端」にしか見えなかったりします。「子どもの頑張りを応援する自分」に酔わないように気をつけなければいけません。
現実に部活をやめても勉強しないパターンもよく見ますが、そこは新たなスタートです。その問題と向き合わなければなりません。「部活をやめてまで勉強に集中しなければいけない時期なのに出来ていない自分」と向き合う事が求められているわけです。「やめてもどーせやらないから、そのまま部活をやり続けよう」っておかしいですよね。本気で部活一本に絞って将来そっちへ向かおうとしている子にも失礼です。
部活にまつわる色々を書いてみました。もちろんご家庭に寄りけりで色々な考え方があると思います。ですが、勉強一つ取ってみてもそれだけに振り切ってがんばっている子たちがここに存在しているという事実はおわかりいただけると思います。
こんなん書いといてなんですが、開智塾では「一部の特殊な部活」を除いて「部活をやめなさい」という話はまずしません。普通の部活なら、優先順位を間違えなければ普通にやっていけますので。ただ、どこかで「そろそろ限界かな」って時がきたらご相談しましょう、というスタンスです。「もうやめた方がいいかもしれませんね」って、時には言わなきゃいけないときもあります。そこら辺は本当に一人一人それぞれです。僕らから見ていても「頑張ってるけど、もう限界じゃないかな・・・」ってこと結構あるんですよね。そう言うときはご相談しませんか?ちょっと減らしてみるとかお休みしてみるとかどうですか?ってお声かけする感じです。