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「うちの子はこれ苦手なんですよね」

「うちの子、○○するの苦手なんですよね」ってのは、ご面談ではよく聞く言葉です。

 

 

○○には算数だったり漢字だったり、理科だったり社会だったり、暗記やら集中力など色んな単語が入るのですが、ちょっと注意していただきたい言葉ではあります。

 

 

 

保護者さま-塾での2者面談でしたら大丈夫なのですが、特にお子さんの前で使うのはちょっと避けたい言葉です。

 

 

 

うちの子は○○が苦手だ、と思われる気持ちは十分分かるのですが、それによって「私は○○が苦手」が確定してしまいます。お子さんによってはそれを一生引きずったりする可能性もあります。もちろん「だから克服して欲しい」というお気持ちなのはすごくよく伝わるんですが、肝心なお子さんに響いていないことがほとんどです。

 

 

 

例えば算数の点数がいつもいまいちだからといって、算数や数学的思考が苦手とは限りません。苦手だと思っているから過剰に丁寧な計算で無駄な時間を使っている(暗算でできるなら暗算で構わないわけです)とか、実は立体に触れていないからイメージがしづらい(大根をサイコロに切って、色んな方向で切ってみたらイメージしやすいです)とか、躓いているところは掘り下げて解決していけることがほとんどなので、「算数が苦手」でくくってしまうともったいないんです。

 

 

 

 

暗記や集中力なんかも同じです。これらはどうしてもある程度の鍛錬が必要になります。急に長時間出来るとか、急に暗記力が上がると言うことは有りません。少しずついろいろな事を覚えたり少しずつ勉強時間を増やすなどの工夫をしながらやっていく必要があります。そうですね、勉強時間は1年掛けて30分~1時間増やせれば御の字じゃないでしょうか。それくらい、勉強するということは長距離走なんです。

 

 

 

反対語で「○○が得意なんです」ってのは、「苦手です」よりはもちろんいいのですが、ここも遣いどころを注意していただきたいところです。子どもって意外に点が取れるか取れないかを努力ではなく才能だと思っている節があります。苦手=才能がない、得意=才能がある、という具合ですね。

 

 

 

自分ができる事が才能なんだと思って、かえって努力しなくなるのは問題です。それならばむしろ才能とかじゃなくて「頑張ってるもんね!」という頑張りを誉める方向に持っていってあげた方がいいと思います。そうすると「自分は頑張れる」と思え、そしてそれが認められ、他の科目でも頑張ることが大切なんだな、ってなります。評価軸を才能ではなく頑張りに置く感じですね。

 

 

 

あと失敗の克服も是非誉めてあげたいところです。テストが返ってきて点数が悪いとつい色々言いたくなるのですが、ぐっとこらえられるならこらえましょう、無理ならガンガン言っちゃってもいいですが笑、誰も得をしません。内容をよく見て、「ここで間違えてるから、実力テストで出たら取れるように練習しよう」とかくらいが理想的ですね(そしてそれで頑張れるようなお子さんだったら理想のお子さんですね・・・かなり無理がありますが)。ここは塾で相談してらっしゃいが正解です。問題と解答を持って、次このミスをしないためにどうしたらいいかを具体的に相談するようにしましょう。

 

 

 

仕事の困難にぶちあたったときにすぐに上司や専門家に聞いて解決するというのは社会人として当たり前なんですが、勉強の世界ではなぜか1人で黙々とやるイメージがあります。結果を出すための最短距離は、知っている人に聞く。この単純なことが出来るよう練習していく感じがいいんじゃないかなと思います。

 

 

 

 

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