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円安

世間は円安がすごいことになっていますが、簡単な説明を。

 

 

 

円安とドル高は同じ意味です。

 

 

 

10/24 19:40時点で、1ドル=149.36円です。

 

 

(google検索「ドル円相場」より)

 

 

↑の図は5年スパンで見たときの様子です。急激な円安(上がっているように見えるけど下がっているのです)になっていることが分かります。

 

 

そもそも、ドル円相場とは、「1ドルをいくらで買えるか」と言うことです。

 

 

1ドルというお金自体を、売ったり買ったりしている人たちがいるんですね。

 

 

 

数年前なら1ドル100円で買えたのが、今は1ドル149円出さないと買えない。1個1ドルの消しゴム、ちょっと前だったら100円で買えたのが、149円になった感じです。これを「ドルが上がった」と見るか「円の価値が下がった」とみるかはその時次第なんですが、現在の情勢では「円が一方的に下がっている」と見るのが妥当でしょう。ここら辺はいろいろな情勢を考えて表現が変わりますが、言っている事は同じです。

 

 

 

この先、1ドル=150円とか160円・・・となっていくと、「円安」という言い方になります。「円の数字と逆」と覚えておくと楽ですね。

 

 

 

そんなわけで今は円安なんですが、なんでこんなことになるのか。

 

 

 

この「ドル円」の相場、売ったり買ったりなので、「円を売りたくてドルを買いたい人がたくさんいれば円安ドル高」になります。

 

 

では、どういう人が「円を売ってドルを買いたいのか」というと、円ではなくドルを使いたい人です。つまり、アメリカでドルを使って投資をしたい人ですね。

 

 

今、日本は超低金利が継続しています。しかも日銀は、この金利を上げる気はないと断言しています。一方アメリカはどんどん金利を引き上げています。そうすると、日本の銀行に置いといてもちっとも増えませんが、アメリカの銀行に置いといたら結構増えていくわけです。銀行を例に挙げましたが、株や投資商品、その他のものもみんな同じです。そりゃドルを手に入れて、ドルで投資をしようってなるわけですね。

 

 

 

では、なぜアメリカの金利が高くて日本の金利が安いのか。これは諸説・複合的な要因がありますが、簡単に言えば

 

 

・アメリカの景気が良い(とはいえそろそろ天井)

・日本の景気が悪い(底なし沼)

 

 

からの、

 

 

・アメリカはまだ金利を上げる気がある

・日本は金利を上げる気がない

 

 

・じゃあ円持っててもしょうがないじゃん!ドルの方がいいじゃん!

 

 

となります。金利は、中3の公民で習ったとおり「景気がよくなりすぎると困る(バブルになったりする)ときに、金利を上げてお金を借りにくくする、いろいろな投資をしすぎないようにさせる」「景気が悪いときには金利を下げてお金を借りやすくして積極的に投資などしてもらって経済の好循環を生み出す」ために操作します。(とはいえ、今は物価高やその元になる原油高とかあるので一概には言えませんが)

 

 

 

 

そんなわけで、しばらく日本の円安傾向が続くでしょう。恐らく数ヶ月~数年単位は覚悟する必要があります。

 

 

 

ところで、あまりに円安になりすぎると、日本の輸入企業が困ります。と言うのも、輸入して日本で海外のものを売るときって、基本的に買ったものの代金をドルで払うことが多いんですね。100ドルで椅子を輸入しようとしたら、数年前1ドル=100円の時は100ドル=1万円で用意して支払いが出来たのに、今は14900円用意しないと同じ100ドルの椅子を買ってくることが出来ません。

 

 

 

逆に、輸出企業はどうでしょうか。例えば日本で車を作って海外で売る、みたいな会社です。

 

 

例えばアメリカで物を売ったら、ドルで代金をもらうのが普通です(国によっては、その国の通貨の場合もあるし、その国の通貨が信用出来ない場合はドルで支払いをさせる場合もある)。すると、手に入れたドルを最終的に円に交換して(ドルで円を買って)日本に持って帰ってくるわけで、同じ1ドルで売っても昔なら100円にしかならなかったのが、今の感じだ149円になりボロ儲けです。

 

 

 

・・・と言いいたいところですが、そう話は簡単ではありません。今は日本で作って海外で売るという単純な図式ばかりではありませんから、例えば部品を海外から買ってきて日本で組み立てて売るとか、特に物作り系の会社は輸出入が混在しているのが普通です。となると、部品は「輸入」していたりするので、そこは円安の直撃を受けます。さらにここ何十年かで日本の大企業は工場をどんどん海外へ移転させました。材料を輸入してきて日本で部品を作り、海外へ輸出して海外工場で組み立てる・・・なんてことも頻繁に行われています。円安だからお得とばかり言ってられないのですね。

 

 

 

輸出企業だろうが輸入企業だろうが、大企業になればなるほど困るのは「予想と違う急激すぎる変動」なんです。特に工場を作って生産・・・となると、何年もかけて計画するのが普通です。となると、計画が狂うのが一番困る。為替相場もある程度思っていたとおりに動いてもらわないと困る。急激な変動は予想を大きく狂わせるので、すごく困るんですね。

 

 

 

で、日銀の「ドル売り円買い介入」です。これ以上円安に動きまくっても困るんで、ちょっと調整しますよって感じですね。あんまり円を売ってドルを買いすぎると、日銀が巨額に介入して相場が逆に動くから、痛い目に遭うぜって言う脅しです。

 

 

 

ちょっと難しい話ですが、市場関係者が「相場がすごく動くか、または安定的か」を数値で表しているボラティリティという数値がありまして(ややこしいですが)

 

 

ボラティリティ表|ヒロセ通商株式会社 (hirose-fx.co.jp)

 

 

ボラティリティという言葉自体は色々な場面で使われるのですが、ボラティリティ(↑の赤字)が大きければ大きいほど、「相場が大きく動きやすいとみんな思ってる」って事を表しています。要するに「どれくらい変動リスクがあるか」という数値です。危険な投資をしたくない人は、ボラを見て大きい場合は控えておく方がいいでしょう。

 

 

 

 

 

 

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