いい会社ってなんだろう?その3安定業種とは
2019年06月14日
ながらく、「安定している」と言われていた業種がいくつかあります。
まずはインフラ。インフラストラクチャー、日本語では「社会基盤」と言われる業種です。就活関係では特に、電力や鉄道などの「なくてはならない業種」を指します。
いや、「なくてはならない」だけではなく、「規制されていて新規参入が難しい・競争があまりない業種」と言うニュアンスも含んでいると考えていいでしょう。
こうした業種はいくつかありますね。インフラ系だけではなく、マスコミや通信なんかもそうでしょう。特に、いわゆる免許制業種は非常に堅く、簡単に新規参入が認められない・地域が決まっている、等々の理由から安定していると言えるでしょう。
近年、そんな「安定している」業種から、脱落してしまった業種があります。金融、特に銀行です。
かつて、金融は就活の「勝ち組」でした。都市銀行や生損保、時代によっては地銀や長期信用銀行、政府系金融機関(公庫など)も勝ち組でした。
ところがバブル崩壊後、日本の金融機関は大量の不良債権(返ってこない貸金)を抱え、その処理に追われます。場合によっては、銀行自体が不良債権の重みに耐えられず、他の銀行に吸収合併されたりして消えていきました。
(余談ですが、銀行は合併によって名前が変わりますよね。くっついた銀行名が長々とつながって、東京三菱銀行(英名はMitsubishi-Tokyoと、順序が逆)→三菱東京UFJ銀行→「東京」が消えて三菱UFJ銀行となりました。いずれUFJも消え、三菱銀行になるでしょう、多分。銀行合併にとって名前は、権力闘争または力関係そのものなんです。)
さらに、労働環境がなかなかハード・・・ということで、最近では昔ほど就活人気はなくなりました。仕事は・・・そうですね、ハードはハードですが、上場企業だったらあんなもんじゃないでしょうか。少なくとも、誰もが知っている有名企業で働きたかったら、相応の代償を覚悟する必要はあるでしょう。
話を元に戻して、これから「安定」をメインに考えて行く場合、まず業種によって「この先も安定かどうか」を考えていく必要があります。
安定を失っていく一番の原因、それはズバリ外国からの圧力です。金融が安定感をなくしたのも、外国からの「日本の金融市場を開放せよ」との強い圧力によります。護送船団方式と呼ばれ国に手厚く保護されていた金融機関は、一気に国際競争に晒され、耐えきれないものは消えていったわけです。
今後、まだまだそういったことは起こります。その際、さらっと開放して野ざらしにされるか、国が一生懸命戦ってくれるか(クルマや農業などいい例です)は、業種によるでしょう。そういったことを日々見て考えながら将来像を描いていく必要があります。
今後2~30年の間に、開放を迫られる業種はどこでしょう。
個人的には、医療、エンターテインメント(テレビ、新聞などメディアを包含しつつ)、ガス、旅行あたりかな、と思っています。
航空はすっかり様相が変わりました。鉄道は、外国企業が入ろうとしても入れなかったようです。保険証券あたりは、それぞれ、というより銀行を含めた巨大金融グループでの戦いになるでしょう。「労働市場」も、現在進行形で開放していってます。外国人労働者は今よりもっともっと入ってきて、日本人の仕事を奪います。
安定業種なんて、すっかりなさそうですよね。
なにがどうなっていくでしょうか。。。