一覧に戻る

あなたはやれば出来る子だから、という声かけ

僕はあまりこの言葉を使いません。別に悪い言葉というわけではないのですが、やはりちょっと無責任な気がするからです。

 

 

やれば出来るというのは言外に「キミはやってないよね」という意味を含んでいるわけで、それは恐らく事実なのですが、大切なのは事実の指摘ではありません。本人は「やってるつもりなのに伸びない」あるいは「そもそもやる気が出ない」あたりで困っているのですから、ここを何とかしてあげないといけないわけですよね。

 

 

言う側としては「あなたは能力がないわけじゃなくてね、努力さえすれば出来るようになると思うの。だからとにかくまず努力してみなさい」と言いたいわけですが、かように真意は伝わりません。

 

 

結局、お互いのためを考えると「キミはやれば出来るね。だからどうしたらやれるかを教えてあげる」「そのためにやる気にさせてあげる」と、ここまで持っていってようやく声かけをした意味があると思うのです。逆に言えばそれをしない声かけなんて、先方からすれば単なるやる気を削ぐ邪魔ものでしかないので、言えば言うほどやる気はなくなるし、「ちょうど今やろうと思っていた」わずかなやる気すらも削いでしまうわけです。これではできるものもできなくなります。

 

 

 

ではどうすればいいかというと、ちょっと大変なのですがやはり根気が必要になります。相手にも機嫌(という言葉が悪ければ調子)の善し悪しがあるわけですから、うまく操縦するには根気よくその時々で声かけをしたり時に強制したりなだめたり誉めたりする事が必要になります。決して媚びるわけではなく。

 

 

成果はすぐ出ません。1つでも前より何かがよくなればそれでOKというくらいでしょうか。

 

 

「今回の期末では前より勉強の取りかかりが早かった、OK」

 

「今回の期末では社会の点数が上がった、OK」

 

 

と、こんな感じです。それをちゃんと見ていて言ってあげられるかが非常に重要なポイントだと思います。

 

 

我が子のことになるとなかなかそうも言っていられないという気持ちも分かります。実は僕自身も、塾の生徒が我が子に見える・・・とまでは言いませんが、お金をいただいて成果を求められる立場なので正直めちゃくちゃ焦ります。今すぐ点数を上げたいし、今すぐいろいろやらせたくなります。でもやはりそれは難しいです。短期的にはどうにかなっても長く持たないんです。めちゃくちゃ我慢です。挨拶を無視する生意気な中2病患者にも我慢です笑

 

 

 

今回の期末テストも、すでに「前回に比べて60点80点上がった」とか、「1年前から比べて50点上がって自己ベスト」という子が出てきています。毎回こういう子がいます。ゴリゴリに怒ったり厳しくしたわけではありません。開智塾は超スパルタに見られるんですが、大声で怒るようなことは年に1回あるかないかくらいです。それも勉強面よりは自習室でうるさくしていたとか(先日那加の中1に怒りましたが)そういうことです。実は勉強、宿題や暗記テストが出来ないことについては地道に地道にやっていくことが大切だと思っています。

 

 

 

そうやって行くうちにドカンと上がる子もいれば、本当にいろいろ紆余曲折を経てじっくり上がってくる子もいます。とにかく成長の仕方は一人一人なのでそれをじっくり見極めていくしかありません。

 

 

 

保護者さまと違うのは、我々はたくさんのお子さんを見て来ているので比較的他の子との違いが分かりやすいこと、そしてその子その子のゴールを遠くに見ることが出来るところでしょう。大学入試を考えたら、今の時点でここまで行けてればいいかなという感じですね。

 

 

 

テストが終わったら行動を変えていきましょう。いつもと同じではいつもと同じ点数です。点数を変えたければまず行動を変えましょう。どう変えたらいいかは普段からよく言っています。地道にやってみてくださいね。

 

 

 

友だち追加