高校の歴史や地理が苦手な人のための勉強
2022年06月11日
超苦手な人のための話です。
結論から先に言います。必要な人は↓を見てください。
ただし、超基礎なので、これを見ても共通テストで点が取れるわけではありません。
まずＮＨＫ高校講座を見てから、その分野の勉強（学校のテキストでも何でもＯＫ）に入ってみてください。やることは普段と同じでいいです。多分苦手な人はそれなりにいろいろ問題集やら参考書を持っているでしょうから、それを使えばいいと思います。なければ学校のでも構いません。
ＮＨＫの高校講座は、学習指導要領をきちんと確認して必要最低限（必要十分じゃない）をやってくれています。なんと書道まであるってのがスゴいですよね。情報なんかはこれで十分かもしれない。
きちんと共通テストで点を取ることを考えるなら、塾での映像授業も非常に効果が高いです。ＮＨＫ高校講座以上に点を取ることに絞ってやってくれていますから、得点アップにつながります。ただし、こちらは「ウルトラ超基礎」ではないので、本当に苦手で時代順すら分からないレベルの人はまずはＮＨＫを見てから来た方がいい、ということですね。
youtubeでも歴史や地理のコンテンツはあふれています。
受験に向けてのコンテンツはyoutubeにもたくさんあるのですが、理系分野に比べ特に歴史地理分野は内容がひどいので、役に立たないどころか「見ない方がいい」ものが非常に多いです。
まず嘘や偏った内容が多い。再生数を稼ぐのが目的なので、平気で嘘を言います。「○○の真実」とか「実は○○はこうだった」みたいなヤツですね。
そして、「これさえ覚えておけばＯＫ！これ以外は試験に出ません」系もダメです。これ系、コメ欄みると「超わかり易かったです」とか「苦手で苦労していたので助かりました！」というコメントであふれかえっています。多分その中にまともに点を取っている人はほぼいないでしょう。
ここからはもう一段ランクを上げた話です。「歴史に興味を持つ」方向性はいろいろありますが、そんなのもあるのか、という話です。
歴史を勉強するときに、その教科書がどういうスタンスで史実を扱っているかを考えながら見てみてください。
例えば、本能寺の変ですが、「織田信長が比叡山延暦寺の僧兵を焼き殺した」と言うことなんですが、当たり前の話、今の世の中にそれを実際に見た人はいません。言い伝えや史料から何が起こったかを記述しているだけです。
ですが、そこには必ずその時代の人の、そしてそれ以降の時代の人の、そして現在それを記述した人の主観が入ります。つまり歴史の教科書に書かれていることは、「教科書を書いた人が、その人の意図でもって、史料を整理し、なおかつその史料も誰かの意図で残されたり記述された物」なわけです。
ある人が見れば「戦国武将として名をはせた」と見れるし、ある人からは「僧兵を山ごと丸焼きにしたひどいヤツ」とも見れるし、、、と、当たり前ですが立場が違えば見え方も異なるわけです。
それは実は教科書にもあり、高校日本史の教科書それぞれでほぼ同じ事が書いてあるところと、物によって結構違うところがあります。
こんなに違う 「日本史」 教科書の記述－「荻原重秀」 はどう書かれているか－ (edu-kana.com)
特に太平洋戦争や従軍慰安婦辺りの記述について、教科書改訂の度にいろいろ話題に上るのはそのためです。
歴史家は、歴史の「真実」を追い求める･･･と思いがちなのですが、実際のところ「そもそも真実など存在しない」と言うことをよく分かっています。出来る限り証拠を集めるのですが、それをどう解釈するか、どう解釈された物なのかは議論する次元の話なのです。結果、「定説」ができあがってくる。そしてそれは時に覆される。そんな感じですね。
そんなことを考えながら教科書や参考書を見比べたりしながら少し面白くなるかもしれません。まぁかなり難易度の高いたしなみ方ではありますが･･･。
ちなみにそのあたりの話は
という本（東大旧教養部の特別授業を収録した本）に書かれています。ぜひ読んでみてください。関にも那加桜丘にも置いてあります。超難しいですが。
