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子どもの嘘とか誤魔化しとか

※この投稿は、表示された日に書いた物ではありません。特定の誰かに向けてではありませんので、適当な日に設定しています。でもちょっと心当たりあるなぁと言う方も多いのではないでしょうか。。。

 

 

 

塾をやっていると、例えば「あ、暗記テストをカンニングしてるな」とか「宿題・・・やったけど家に忘れてきました」というようなことに出くわすことがよくあります。嘘やごまかし、インチキの類いですね。

 

 

 

塾は、それを見逃していては商売にならないので、常に「誤魔化すことってあるよね」って眼で見ています。悪く言えば「疑っている」とも言えなくもないですが、それより「ちょっと怠けたい、誤魔化したいという気持ちの現れをきちんと発見して何とかしてあげたい」と思ってやっています。

 

 

 

で、怒るなり諭すなり、その時々でいろいろな方法を取るのですが、保護者の方へもほとんどの場合連絡を入れるようにしています。深刻ならばご面談させていただくようなこともあります。もちろん目的は改善です。やめていただきたければ面談など手のかかることをすればいいのですが、そうしない理由はやはり改善してあげたいからです。

 

 

 

でも、まれにそうならないことがあります。例えばこんなことがありました。(設定は少し変えています)

 

 

 

プリントの提出期限に出せなかった子がいて、出さなかった理由を聞いたら「え?出すんですか?」という返答でした。保護者さまが来られて「その説明は、きちんと行き渡るようにされていたのでしょうか?」と。

 

入塾間もない頃でこちらの説明が足りなかった部分もあったと思います。「きちんと話が伝わっていなかったかもしれません、申し訳ありません」と謝罪しました。

 

 

 

そしてしばらくして、また同じ事がありました。今度は別の教科です。今度はきちんと授業中に説明もして、他の子も聞いていて、その子以外は全員がきちんと出しています。でも、その子は出しませんでした。

 

 

「なんで出さなかったの?」「え?出すんですか?」

 

 

また同じ返答です。今回はきちんと話したことも知っていますし、他の子が聞いているし、同じ説明を何度もしています。聞いていなかったは通りません。

 

 

 

それでもその子は「説明はあったのかもしれない、聞いてなかったのかもしれません、それは悪いと思いますが本当に聞いていなかったから仕方ないじゃないですか」と強弁します。

 

 

 

僕らは、それが嘘だと分かっています。今回は、しっかりその旨(嘘だということも含め)保護者さまにその旨をお伝えしました。

 

 

 

残念ながら、保護者さまの返答は次のような感じでした。

 

 

「その説明はどのようなタイミングで何回くらいされたのですか?みんなが手を止めて前を向いて聞くべき状況だったのですか?それとも何か問題をやっている最中とかですか?うちの子が聞けなかった、分からなかった理由があるんじゃないですか?」

 

 

 

あぁ、この子はこうやって強弁して、すぐ親が出てきて子どもの言い分を押し通すことを学習してきてるんだなと分かりました。本当はやってあるけど家に忘れてきただけの宿題とか、たまたま聞いていなかっただけとか、相手が確かめようもない「僕にしか知り得ない真実」と、「その肩を持って理詰めで相手をやり込める親」というセットなんだな、と。

 

 

 

 

そこで、お子さんには部屋から出てもらい、保護者さまと2人で話しました。

 

 

 

「こうして、相手が確かめようがない嘘を言うことについてどう思われますか?それを認識いただいて改善したいと思われるのでしたら、ご一緒になんとか今のうちに直していきたいと思いますが、お子さんの肩を持ってお子さんの側に立って理詰めでこちらを責めるのでしたら、今後ご面倒を見させていただく事は出来ません。どうされますか?」

 

 

 

その時は納得されたような感じでしたが翌日にやめられました。きっとその子は、この先も自分しか知り得ない真実を盾に、親の肩越しにニヤッと笑うのでしょう。

 

 

 

もちろんこちらの非があるのを確かめもせず一方的にお子さんのせいにしようとしているわけではありません。こちらもミスはありますし、お詫びしなければいけないことはきちんとお詫びをします。しかし、ここに至るまでに十分に確認をした上でお話をしています。

 

 

 

お子さんが嘘を言ったり誤魔化したりすることはよくあることで、たくさん見て来ましたし、こちらもそのつもりでいます。だって子どもってそう言うものじゃないですか。怒られないためにとっさに誤魔化したりすることって子どもにはよくあることなんです。だから見逃さずに気づいてあげたい。誤魔化しがうまく行ったんじゃない、見逃されてきただけなんだよ、そろそろわかんなきゃダメだよ、と。

 

 

 

でも、親がその肩を持ってしまっては、どうにもなりません。本当は一喝すべきチャンスなのに。「せっかく塾に来たからこそそういう発見が出来た、学校じゃなくてよかった。一緒に直していきましょう」と思っていただきたいのに。

 

 

 

お子さんが嘘をついたり誤魔化したりということが親としてショックなのは分かります。場合によっては、ご自身が否定されたように感じられることもあるでしょう。でも、子どもって親が思う以上に外の世界をどんどん広げて、親が知らない部分がたくさんあるものです。その時その時で仮面を付け替えるものです。そうして大人になっていくと思うんですよね。「そうか、そういうことをする歳になったのか」と1つの成長機会と捉えていただいて、少しずつお子さんと距離を離していくことが出来るとよいと思います。

 

 

 

僕らはまず保護者さまと共にあります。保護者さまがこうなって欲しいと思う像に少しでも近づけていきたいと思ってやっています。何か問題があると感じたときはこちらからお話しますし、ぜひお話しください。何でもかんでも子どもの言う側ばかりに立たずに、「なるほど、そう言うこともあるのか」と思っていただければ幸いです。目指しているところはおなじなのですから。

 

 

 

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