現代文を出来るようにする
2019年09月13日
これは非常に壮大なテーマです。高校生の現代文。
マジか!ついに来たか!って食いつきたい気持ちは分かりますが、即効性のある物は存在しません。ごめんね。
ただし、ある条件が整っていれば、一気に上げることは可能です。それは語彙力です。(それが全てとは一言も言っていませんので勘違いしないように)
国語って、「昔から苦手な子」と「何もしなくても取れていた子」の二手に分かれます。
まず昔から苦手な子。数学で言ったら計算が苦手なのと同じです。国語にも基本ルールがあります。国語が得意な子たちは読書という訓練によって、基本的なルールを身につけてきていますが、それをやってこなかったのであれば、出来なくて当然です。
もしこれ、数学だったらどうしますか?いきなり応用問題、入試問題は無理ですよね。まず「せめて計算くらいできるようにしようぜ」ってなりますよね。国語なら、それが「まず語彙力を身につけようぜ」になります。
「何もしなくても取れていた子」。(入試問題でもちゃんと取れる子は対象外です。高校3年になって全統マークやら全統記述でも点数が取れているなら、親の教育に感謝してください。ひょっとすると天賦の才かもしれません。)問題は、急に取れなくなった子。いますよね。進研模試で言えば、2年生の11月か1月模試から急に下がった子、いませんか?元々は「現代文なんか読めば分かるじゃん」って思ってた子が急に取れなくなるのが2年の後半です。理由は簡単です。問題が入試レベルになって、自分の限界を超えてしまっているんです。文章の内容が難しくなります。どれだけ読書好きでも、評論家の文章や科学的な論考を読んできている子は少ないはずです。入試になると一気にそのレベルになりますので、対応が出来なくなるんです。
例えば、「コンテクスト」とか「記号」、「パラダイム」という言葉があります。センターなんかでもよく出てくる単語です。この言葉の意味がよく分からない、いまいちピンと来ないとすれば、もうそれは国語力が追いついていないのです。数学で言えばΣ(シグマ)記号が分からない、みたいなもんです。知ってて使ってなきゃ分かるわけないんです。現代文だって受験科目である以上、当然そう言うものはあります。しかも、小学校1年生から最も長く学習している科目です。難しくて当然です。(が、キチンと積み上げてきた子はその気になれば当然修得も早いですよ)
さて、いずれにせよ、語彙力は大学入試の現代文においては非常に重要なテーマです。昔なら読書・・・とか言われて「おいおい、今さらそんなん無理やねん」ってはなしなのですが、最近は実に良い物が世の中にたくさんあります。
「これがベスト!」と言う物があればいいですが、ちょっと難しいです。人によりますので。
参考書コーナーで、「現代文に出てくる語彙を解説する」系の本を手に取ってみてください(個人的には河合塾が好きですが、見た目とか手触りでも、なんでも気に入ればいいです)。そして、電子辞書片手に読み、言葉を知っていってください。そしてできるだけ使ってください。コンテクストとか、日常会話で使ってください。
「おめーそれ、どういうコンテクストで使われた表現なん?」とか。
さて、あくまで切羽詰まった人用に書きましたが、もちろんこうならないようにもっと幼い内から言葉を知っていくことはとても大切です。読書をさせることはもちろん、少し難しい文章に触れさせてください。いくらでもあります。親が子どもに本を薦めるときに参考になるのは、国語の教科書にでてくる人です。例えば中2で「魯迅」なんて出てきます。だったら魯迅の本を探すんです。ちょっと難しいはずですが、まるで見当違いでもありません。
(古い勉強の仕方で、朝日新聞の天声人語を書き写すとか、要約してみるとか、もうさすがにやめましょう。朝日の論調が悪いとかそういうことではなくて笑、その要約が良いのか悪いのかを判定できないからです。特に天声人語みたいなものは、文章を書くプロフェッショナルが限られた字数で収めるよう言葉を厳選して作成しています。それを素人がまとめるってそもそも無理難題なんですよ。)
過去にも書きましたが、科学雑誌(ニュートンとか日経サイエンス)なんかもお薦めですし、最近は子どもに読書を勧めるための冊子もあります(校舎に置いています)。いろいろな切り口から、本や文字、さらには小説、論評へとステップアップさせていきましょう。そのためにはどうしたって大人の力が必要です。がんばりましょう。だいたい中2くらいまでは、国語力向上に読書が効果を発揮します。ここは親です!