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5分で分かるウクライナ情勢(7)

 

その1

その2

その3

その4

その5

その6

 

 

戦況は2極化し、一方で国際的な情勢もややこしくなってきました。

 

 

ウクライナ戦線は大きく2極、

・東部クリミア半島戦線

・ザポリージャ原発周辺

です。

 

まず東部クリミア半島は、8年前にロシアが突如軍事侵攻、一方的に併合した要衝です。

 

 

もとはウクライナ領土でしたが、今はロシア軍が占領、↑の赤いマークの右上辺りに「黒海艦隊」と呼ばれる海軍を展開しています。

 

いま、ここの爆破が始まっています。

 

ウクライナ軍、ロシア軍の黒海艦隊司令部を攻撃:中国製の商用ドローン「Skyeye5000mm」使用か(佐藤仁) – 個人 – Yahoo!ニュース

 

「ウクライナ軍の攻撃」とされていますが、(たぶん)ウクライナ側は公式に自らの攻撃であるとは認めていません。というのも、ロシア側は

・クリミア半島は元々ロシアのもので、ウクライナから取り返しただけ。ロシアの正統な領土である。

・よって、クリミア半島への攻撃はロシア本土への攻撃とみなす

という論理。従って、ロシア側を刺激しないようにウクライナとしては「知らん顔」しているわけです。

 

とはいえ、ウクライナのゼレンスキー大統領は「ロシアの侵攻から領土を守る」→「クリミアを奪還して戦争が終わる」と言い方を変えてきているので、「ウクライナ優勢になりつつあると見ている」と思われます。

 

また、上記記事にあるとおり「黒海艦隊総司令部」への直接的なダメージまで与えているので、ロシア側からすると「前線基地までやられた」という認識で、相当焦っていると思われます。が、補給(兵士・軍備)がうまく行っていない状況です。

 

 

ロシア側から見ると戦況がよくないので、いよいよ正規軍のみならず国民を戦争に狩り出す方針になりつつあるようです。

 

ロシア軍の定員13万7千人増、プーチン氏が大統領令に署名…「総動員令」回避狙いか : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)

 

「総動員」までやるとロシア国内の世論がどうなるか分かりませんので、とりあえず「総動員はしないよ、でも軍備増強のために協力よろしくね(断らせないぞ)」という感じです。

 

 

 

一方でロシア側が目をつけて揺さぶりをかけているのがウクライナ東部ザポリージャ原発です。

 

 

 

“ザポリージャ原発に砲撃” ウクライナ・ロシア双方が発表 | NHK | ウクライナ情勢

 

 

戦争当初より、ロシアは核をチラつかせ有利に進めようとしていますが、現実的に今すぐ核を撃つというところまではさすがに至っていないようです。そこで、ヨーロッパでも有数の規模の原発を攻撃に晒すという手に出ています。

 

 

双方がお互いに「ウクライナがやった」「ロシアがやった」と言っていますが、現状占拠しているのはロシアです。原発自体が破たんしないよう、ギリギリの線でダメージを与えているようです。原発を人質にしながら揺さぶりをかけている感じですね。

 

 

原発の状況については、IAEA(国際原子力機関)が数日内にも現地入りし確認するとしています。

 

 

 

 

 

さて、国際社会は戦争の長期化に伴って物価高になっているのは周知の通りです。日本以外の国では、特にアメリカなどの主要国ではインフレ状態に陥って何とか止めなきゃと「ジャクソンホール会議」を開催しました。

ジャクソンホール会議 インフレ抑制「やり遂げるまで」FRB議長 | NHK

 

ちなみにこれを受け、アメリカの株価は急落しています。(↓金曜日の急落)

NYダウ【^DJI】(ダウ平均):詳細情報 – Yahoo!ファイナンス

景気後退懸念、インフレ抑制がうまく行かない懸念、などなど。

 

 

また、NPT(核不拡散条約)の会議も行われていましたが、

NPT再検討会議 ウクライナ情勢めぐり対立のまま最終日へ | NHK | 核兵器禁止条約

 

核兵器廃絶どころかザポリージャ原発への対応を巡って議論が平行線(というかロシアが反対したり云々)で、全く進まないまま閉幕してしまっています。

 

 

また、ロシアはこの機に「ボストーク2022」と呼ばれる軍事演習も実施するとしています。

 

中国軍 ロシア極東軍事演習「ボストーク2022」に参加へ  | TBS NEWS DIG (1ページ)

 

焦点となっていた「中国の参加※」どころか、インドまで参加する始末。冷戦時代を彷彿とさせる新たな東西(?)対立の構図が出来つつあります。

 

 

※中国はロシア寄りですが、あまりに寄りすぎるとロシアと一緒に経済制裁を受けたりするので「付かず離れず」でしたが、軍事演習にはどうやら参加するようです。

 

 

ウクライナ情勢は軍事のみならず、世界経済や核兵器、国際関係の枠組みまで変わりつつあります。

 

 

生きているうちにはないと思っていた第三次世界大戦はひょっとしてもうすぐそこまで来ているのでは、と思えてなりません。

 

 

 

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