(余談)羽田空港第3ターミナル商業ビルがあかんやろって話
2026年10月15日
マーケとか都市開発とかに興味がない人には全く無関係です。長いです。好きな人だけ。
羽田空港第3ターミナルに行ったとき、少し時間があったので、
羽田エアポートガーデンは住友不動産が開発した巨大複合施設で、
ところが、実際に歩くと妙な違和感。
第3ターミナルにはもちろん人が多い。到着客も出発客もいる。
├→京急・モノレール・バス・タクシーへ向かう大きな人流
├→出発客はチェックイン・保安検査へ
└→連絡通路を進んだ先に羽田エアポートガーデン
アクセスが悪いという意味ではありません。
問題は、人が自然に流れる主動線の中に商業施設があるのか、
空港は利用者数が多い。しかし、到着客は鉄道、バス、
中まで入ってみると、その違和感はさらに強くなりました。
羽田空港という一等地の看板と、
調べたら、入札の時点でかなり面白いことになっていました。
この土地は国有地で、
応募したのは3グループ。
詳しいメンバー、採点、審査講評は国土交通省の民間事業者選定結果に全部載っています。
| グループ | 年間提案貸付料 | 価格点 | 内容点 | 総合点 |
|---|---|---|---|---|
| 住友不動産・東京国際空港プロジェクトチーム | 27億円 | 50.000 | 22.042 | 72.042 |
| 日本空港ビル・京急・三菱地所・大成グループ | 10億7585万円 | 19.923 | 43.292 | 63.215 |
| GLOBAL WINGS羽田チーム | 7億1007万7500円 | 13.150 | 29.667 | 42.816 |
数字を見れば分かりますが、住友だけ土地賃料が突出しています。なんと
しかも2位のグループは、日本空港ビルデング、京急、三菱地所、
空港、人流、鉄道、ホテル、小売、バス、物流、
このメンバーが年間10億7585万円と値付けした土地に、
対象地の合計面積は4万3035平方メートル、
住友の年間27億円をこの面積で単純に割ると(いわゆる坪単価)、
羽田第3ターミナル隣接で約1万3000坪を約50年間押さえる
でも、羽田という土地そのものの希少価値と、
(なお、年間賃料27億円を単純に50年掛ければ1350億円、
めちゃめちゃ興味深いのは、有識者評価では住友がほぼダブルスコアで負けているという事実です。
| 主な評価項目 | 住友 | 京急側 | 配点 |
|---|---|---|---|
| 全体整備・運営計画 | 3.375 | 9.000 | 9 |
| 景観に配慮した動線計画 | 1.500 | 5.750 | 6 |
| 訪日外客対応 | 1.667 | 3.833 | 4 |
| 空港内の他地区との連携 | 1.000 | 2.875 | 3 |
| 資金調達・事業収支計画 | 1.250 | 2.125 | 3 |
| 加点項目合計 | 17.042 | 38.292 | 45 |
有識者委員会の講評(コメント)もかなり辛口。
住友案については、
・施設・
・外観は単調、視覚的な圧迫感の可能性
・車両動線と歩行者動線の交差部分に関する具体的な安全記述の不足
・施設利用者への景観・動線への配慮が十分読み取れない
・運営企業の収支計画も具体的記述が少ない
と指摘、さんざん。(
一方、京急側は、
・ホテル、複合業務施設、
・空間構成が明確で、車両動線、
などと評価。誉め誉め評価です。
事業計画の中身だけなら、43.292対22.042。住友、完敗。
それでも、入札としては住友が勝った。なぜか。それは最終結果を決めるための算定式にある。
要は、提案の中身の点数はボロ負けだけど、入札金額がでかければ勝ちという仕組みなわけです。
価格点の計算式
最高額を出した住友は50点満点確定。
10億7585万円を提示した京急側は、
内容では京急側が約21点勝っていたのに、
調べて見ると、この式自体は公有地活用の入札で珍しいものではありません。しかし、
この案件は、
で、話を本題に戻して、第三ターミナル商業ビルがあかんやろって話。
なんと開業たった3年で、商業エリア14店舗を入れ替えです。
羽田エアポートガーデンはコロナ禍による延期を経て、
ところが2026年2月、住友不動産商業マネジメントは商業エリ
開業時の外国人観光客向けの日本土産・伝統文化中心の構成から、
| 開業時の代表的な店舗・業態 | 2026年以降の新規店舗・強化例 |
|---|---|
| くろちく、白竹堂、福井洋傘、HARIO Satellite、日本茶きみくらなど、日本文化・伝統工芸・ |
HERZ、マザーハウス、岩座、YouLA Selectionなど、実用品と日本らしさを両立した物販 |
| 山古志本舗、和菓子、食物販、土産品中心 | SOUVENIR SHOP by LAWSONを24時間営業で導入 |
| ご当地グルメ、和食、観光客向け食体験 | 麺屋優光、鉄板焼き神火、クリスプサラダワークス、 |
| 通常営業時間中心の商業施設 | 24時間営業のエアポートカフェラウンジNODOKA、 |
新規店舗第2弾はこちら。営業時間延長と24時間機能強化はこち
では、こんなありさまで、そもそも住友はなぜ27億円まで突っ込んだのか。
ここからは資料に書かれた事実ではなく、
1.商業単体ではなく、ホテルを核にした複合採算で見ていた
住友案は入札時から約1700室のホテルを中心とする計画だった
2.2016年当時は、インバウンド成長をかなり強く見込めた
入札は2016年。東京五輪前で、訪日客の増加、
3.50年間、羽田第3ターミナル隣接地を押さえる戦略価値
短期の商業売上ではなく、ホテル、イベント、温泉、交通結節、
4.そして、多少はメンツもあったのではないか
これは完全に推測。羽田空港第3ターミナル直結、国有地、
というわけで、大半はゲスの勘ぐりなんですけど。
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そういえば、(持ってる株数的に)大好きで(含み損という意味で)憎き三井不動産は、そもそも入札に出ていませんでした。
というわけで、ここで三大デベロッパーを見ると、もう一つ面白いことに気づきます。
三菱地所は、日本空港ビル、京急、
ところが三井不動産はそもそも参加していない。
2016年2月5日の参加資格確認申請の段階で、
理由を三井自身が公表した資料は見つからないので、
公募条件を見ると、
ここは、
三井はこの公募前年の2015年、
一方、羽田の公募では、
多分、三井にそれができなかったわけではない。
そろわなかった条件は何か。完全に憶測だけど、「それ以外」を全部他に持ってかれてしまっていた。三井グループだけでは無理かも、って感じ。
空港人流を握る有力企業は他グループを作っていて、京急側には日本空港ビル、京急、JR東日本、東京モノレール、
となると、三井が独自に強い連合を組む余地は、
さらに、「結果として」本気で入札した2陣営の地代は10.
要するに、三井不動産の不参加は、
しかも三井は後年、ANAと組んで羽田で物流・研究・
。
商業をやるなら、
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関係資料
- 国土交通省東京航空局 民間事業者選定結果
- 国土交通省 民間事業者の選定結果の公表
- 東京航空局 参加資格確認結果
- 東京航空局 募集要項
- 東京航空局 事業協定書及び国有財産定期借地権設定契約書の締結
- 住友不動産 2023年全面開業資料
- 住友不動産商業マネジメント 2026年リニューアル発表
- 住友不動産商業マネジメント 新規店舗第2弾
- 住友不動産商業マネジメント 営業時間延長・24時間機能強化
- 羽田エアポートガーデン 現在の店舗一覧
- 三井不動産 クアラルンプール国際空港のアウトレット開業資料
- 三井不動産 HANEDAインダストリアルパーク
※2026年10月時点。




