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5分で分かるウクライナ情勢(11)

その1

その2

その3

その4

その5

その6

その7

その8

その9

その10

 

 

 

5分で分かるといいながら11ともなると5分で分からないじゃないかという苦情はプーチンに言ってください。

 

 

 

そういえばちょっと前までネットミーム(ネットスラング)で「プーさん」と言えば習近平氏でしたが(似ているから?)、プーチンもプーさんになってくると話がややこしくなってくるような。

 

 

 

クリミア大橋で爆破

 

と言う事件が起こりました。

 

 

クリミア半島とは、そもそも旧ソ連崩壊後、ウクライナ領だったところです。

 

 

ロシアからすれば、黒海→地中海へ出て行くにはどうしても自国領土として自由に使える場所にしたかった「戦略的要衝」です。

 

 

軍には「空軍・海軍・陸軍」とあるわけですが、軍事的に海軍が自由に移動できるのは戦略的に非常に重要な意味を持ちます。

 

というのも、海軍は船であるが故に基地(空母)の移動がしやすく、つまり敵に狙われにくいと言う特性を持っています。空軍だったら空港の確保が重要ですが(今回のロシアによるウクライナ侵攻は初手でこれに失敗しました)、海軍の場合は空母を移動させながら、そこから爆撃機を発進させることが出来るので非常に重要なのです。黒海を自由に航行できるようにするためには、クリミア半島は是が非でも手に入れたい場所だったというわけです。

 

 

そして2014年に軍を派遣し、一方的に併合を宣言しました。

 

 

このとき、国際社会は事実上何も出来ませんでした。ロシアは核兵器保有国であり、国連安保理常任理事国です。要するに本来なら「世界の警察」であるべき立場ですから、「もの申す!」がなかなか難しいわけです。

 

 

その成功体験から、ロシアは今回のウクライナ侵攻に踏み切り、またその失敗体験から今回は国際社会で何とか対応しようと躍起になっているわけです。

 

 

 

 

 

 

 

クリミア半島併合後、ロシアは本土からクリミア半島にかかる橋を架けました。「クリミア大橋」です。

 

 

2018年道路部分、2019年鉄道部分が開通し、当時はいずれもプーチン氏が自身で車を運転したりする映像が大々的に放送される「歴史的快挙」とされました。

 

 

 

 

を、今回爆破しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

これはプーチンの威信を削ぐのみならず、ロシア本土からクリミア、さらには今回の戦争で一方的に併合を宣言したウクライナ南部への補給路を断つ(つまりクリミアやウクライナ南部のロシア軍が孤立する)という意味を持ちます。

 

 

 

 

ウクライナは現在のところ公式に「ウクライナがやった」とは宣言していませんが、国防相が「不法なものは全て破戒されなければならない」とツイートするなど、かなり強い戦略的挑発と言えます。

 

 

 

一方、プーチンは「調査を指示」の段階で、現在(2022/10/09)のところそれ以上の対応が出来ていません(一部復旧の報あり)。

 

 

 

このあとプーチンがどう出るか。最悪のケースでは(戦術)核を用いるところまで考えられますが、現状かなり難しいでしょう(NATOやアメリカが「核を使ったらマジでやったるからな」って言ってます)。徴兵もグダグダで戦地に送れば投降者だらけ、そろそろ何らかの形で終結に向かいたいところでしょうが・・・

 

2022/10/10 22:40 追記

 

プーチン大統領「ウクライナに大規模ミサイル攻撃」クリミア橋爆発の報復と明らかに | TBS NEWS DIG (1ページ)

 

 

ミサイル等による無差別爆撃(特に重要インフラ設備をターゲット)による報復攻撃を行った模様。

ギブアップするならここしかないと言うpoint of no returnだったと思うのですが・・・

 

 

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