5分で分かるウクライナ情勢(19)
2024年06月17日
赤色がロシア軍が事実上選挙しているところです。
(時事通信ウクライナ情勢 関連ニュース:時事ドットコム (jiji.com)より引用)
戦況は一進一退なんですが、ややロシア優勢です。
① 無人機(ドローン)を使った戦闘、および無人機を無効化するための妨害電波(ジャミング)などによる電子戦が重要になってきている
(ロシアの無人機にイラン製が使われたり、イランから部品を輸入してロシアで製造しているが、日本製の部品も使われているのは憂慮すべき所です)
② 国際社会の「支援疲れ」をつくプーチンの知略と、国際社会の継続的支援を訴えるゼレンスキー大統領
あたりがポイントです。特に②については、
・アメリカが大統領選挙を控え、トランプがウクライナ支援に消極的(アメリカファースト)で世論が割れている。
・EU諸国も同様にウクライナ支援に対する財政支出に消極的な極右政党が一定の支持を得ている。
などが挙げられます。
フランスでは、極右政党(フランス国内ファーストな政党)の躍進を阻止するために解散総選挙に打って出ました(自身の大統領職はそのまま)。ヨーロッパ全体的に右派政党が力を持ってきており、「他の国(ウクライナ)を助けるくらいなら自分の国に金を使え」という気運が高まりつつあります。
「そりゃそうだろう」と思われる方もいらっしゃると思いますが、一方で「他人事ではない」というのもあり(ウクライナ侵攻を許してしまえばさらに隣へくるのでは?と)、意見が2分されるところです。
ウクライナはNATO加盟を表明しており、もし実現すればロシアはNATO加盟国を攻撃していることになります。
となると、NATOは「NATO加盟国が攻撃されたら団結して対抗する」という条約ですので、もしこのままウクライナが加盟するとそれこそNATO加盟国が戦場に直接出て行く必要が出てきます。
そこをプーチンは突いてきています。「今のうちに(領土を明け渡す形で)ウクライナに降伏させろ、ダラダラ長引いたら他の国々も面倒だぞ」というわけです。
ウクライナとしてはなんとしてでもロシアの完全撤退を目指したいところですが、どうやら現況を見る限りウクライナに不利な状況にあるようです。
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ところで日本はというと、忘れている人も多いのですがロシアは「隣国」です。北方領土、千島、樺太の帰属についてロシアとは意見が食い違っています。日本政府(そして教科書)の立場は「北方四島全て日本の国土」という主張ですが、ロシアは「二島はロシア領土」と言って譲りません。軍も展開しています。
防衛省・自衛隊|令和4年版防衛白書|4 北方領土などにおけるロシア軍 (mod.go.jp)
一応、お断り。
あくまで教科書に書かれていることの範囲です。政治的な立場をここで書いたりする事はありませんし授業中にお話ししたりすることはありませんのでご安心ください。