5分で分かるウクライナ情勢(12)
2022年12月10日
もっと早く終わるはずだったのですが・・・
ロシアの劣勢が伝えられていますが、ウクライナが過激な反転攻勢に出ました。
またロシア領内にドローン攻撃、飛行場のタンク炎上 英国防省「戦略的に最も重要な失敗」(ロイター) – Yahoo!ニュース
※タイトルだけ見ると分かりづらいですが、要するに「ロシア側から見て失敗」って内容です。
ここ数週間なにが起こってたかと言いますと。
ロシア側は侵攻した地域から退却したりを繰り返し、過去に占領したクリミア半島はなんとか死守したいところですが軍もグダグダ、戦略はヘボヘボでどうしようもありません。そこで現在ロシアはウクライナのインフラ設備(生活に必要な拠点)への爆撃を行っています。
ウクライナ全土では停電や断水が相次ぎ、これから本格的に寒くなる季節を迎え何とか生活を凌いでいる状態です。
WHO、ウクライナで数百万人の命「脅かされる」 厳しい冬の到来を前に警告 – BBCニュース
つまり、水道やガスなどの拠点を爆撃する事によって国全体を凍えさせて有利にしようという攻撃の仕方です。ウクライナ国民といえど、これでは生活出来ない、いい加減にしてくれ!ってなるのでは?という作戦ですね。
一方、国際社会の反応ですが、新たな角度から制裁を追加します。
そもそもこれまでの国際社会によるロシアへの制裁は、ロシアが生産する原油や天然ガスへの異存が高い国とそうでない国との温度差が大きく足並みをそろえることが難しかったわけです。日本もロシアからの原油供給がストップすると困るわけです(そこまで依存度は高くないですが、巡り巡って原油高の影響をもろに受けていますね)。そこがロシアによる戦争をいつまでも止められない原因の1つとみられていました。
そこで、新たな制裁措置として
EU追加制裁、船舶の保険提供 禁止か。露産石油輸送で|日本海事新聞 電子版 (jmd.co.jp)
を導入しました。
原油を運ぶのは圧倒的にタンカーが多いわけですが、通常何かあったときのために保険を掛けます。金額の詳細は分かりませんが、恐らく億円クラスではないかと・・・。東京「海上」とか三井「海上」とか言うくらいですから、船舶やタンカーの保険が損保の重要なビジネスなのは明らかで、それだけ金額が大きいのもうなずけます。
※ちなみに、いざタンカーが座礁したとなると、タンカー本体とその積み荷(原油など)、周辺地域への補償など大変高額な保険金支払いになりますので、保険会社はさらに保険に入ります。有名なのはイギリスのロイズですね。マスターキートンに出てきました。↓を見ると、日本国内だけでも6億ドル以上(700億円以上)の保険料収入を計上していますので、なかなかの金額です。
日本におけるロイズへようこそ – Lloyd’s (lloyds.com)
で、話を元に戻しますと、西側諸国はこうした保険会社に対して「ロシアのタンカーは保険への加入を認めない」という対応を行いました。
国ごとでロシアに対する足並みが揃わないなか、民間企業に対して対応を迫ったわけです。というのも、こうした大規模な保険会社はほとんど西側先進国の会社ですので、NATO諸国のいいなりなんです。
仮にロシア寄りの小さな国が反対したところで「ロシアのタンカーには保険が掛けられない」となると、万一の事を考えたらロシアから原油を輸入することが困難です。なにせ保険がかかっていないので、ロシアから原油を輸入しようとしてもタンカーが座礁や爆撃されでもしたら一発で国が傾くくらいの大損害を受けるわけです。当然ロシアからの原油輸入は控えたくなります。
こうなってくると、原油を売ることで戦費を稼いできたロシアは大打撃です。
・・・というタイミングで、ウクライナはロシア本土への爆撃を行いました。これが冒頭の「ウクライナによるロシア基地への爆撃」です。
気になるのは、ロシアがどういった反撃をしてくるかです。
かねてよりロシアは「ロシア本土への攻撃があった場合、核兵器の使用も辞さない」と公言していました。なんなら、以前勝手に占領したクリミア半島も「ロシア領土」だと主張し、攻撃するなと脅していたわけです。今回はクリミアどころか、本当にロシア本土への直接攻撃があったわけです。しかもモスクワから200キロという(東京ー静岡間くらい)近距離や、ウクライナとの国境線から600キロ(東京ー広島間くらい)離れた奥地まで攻撃されたわけです。
いよいよ追い込まれたプーチン政権。ウクライナ侵略はほぼ失敗に終わるのが確定的な上に、本土攻撃までされたわけです。かといって、本気で核兵器や生物兵器を使うわけにもいかない(と思われる)。残された手は、今後さらにウクライナのインフラ施設や民間施設への無差別爆撃などしかありません。
勢い余って核兵器などに手を出さなければ良いのですが・・・。
ちなみに、比較的ロシア寄りだった大国の筆頭といえば中国ですが、中国自身も今はそれどころではありません。
中国全土で反政府デモ、習近平に退陣を求める異例の事態(ニューズウィーク日本版) – Yahoo!ニュース
習近平のゼロコロナ政策にいい加減怒った国民が、全土で反政府デモを行って火消しに躍起になっています。中国で反政府デモといえば「天安門事件」を思い出しますが、さすがに現在の国際情勢下、軍を動員して民間人の虐殺は出来ないようです。ゼロコロナ政策を緩める方向へと舵を切りました。
全然5分じゃ読めないな・・・
関係ないっちゃ関係ないですが、こんなページがありました。
SS(ガソリンスタンド)過疎地域ランキング
富加町にはガソリンスタンドが1つしかない・・・けど、まぁ美濃加茂市などへのアクセスがいいから問題ないんですかね。坂祝とか関ヶ原にSSが3つしかないのは意外です。