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5分で分かるウクライナ情勢(15)

 

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その7

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その9

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その11

その12

その13

その14

 

最近重要な局面が二つ。

 

 

 

一つは岸田総理大臣によるウクライナ電撃訪問。G7のうちウクライナを訪問していないのは日本だけだったので、議長国としては是が非でも現状視察&ゼレンスキー大統領と直接対話しておきたい意図もありますが、タイミングが最高でした。

 

 

ちょうど中国がロシアを訪れ、プーチン大統領と会談したまさにその日に電撃訪問したのです。

 

 

中国の思惑はこうです。

 

 

比較的ロシアと仲の良い国であるポジションはキープしつつ、西側諸国との対話を取り持って中国の威信を示したい。あわよくば、西側に恩を売りたい。まずはロシア訪問、その後にうまく西側との間に立って「さっすが中国さん!」って感じに持っていきたい。

 

 

 

が、そのロシア訪問当日に、あろうことか西側の代表の顔をして日本の岸田総理がゼレンスキー訪問!

 

 

 

これ、国際社会およびゼレンスキー大統領には

 

ロシア・中国 vs  ウクライナ・日本

 

と映りました。実際、

 

 

「日中首脳、ウクライナ戦争で対立する都市を訪問」(英BBC放送)

「岸田首相と習氏の2つの訪問は、ウクライナでの戦争に関する北東アジアの深い溝を示している。日本はキーウに多額の支援を約束し、中国は孤立を深める戦争犯罪者プーチンを支える唯一の声であり続けた」(米CNNテレビ)

「(岸田首相は)アジアのライバルである中国の習氏と『決闘外交』を展開した」「(キーウとモスクワで)約800キロ隔たった2つの首脳訪問は、両国がどちらに肩入れしているかを浮き彫りにしたものだ」(AP通信)

習氏の訪露と被った岸田首相のウクライナ訪問 偶然の産物だが…強烈な一矢を誇らしく思う 外国メディアの報道と日本の伝え方に落差 (夕刊フジ) – Yahoo!ニュース

 

 

などと報道されているようです。

 

各社報道されているように、おおむねこれは「偶然」だったようですが、図らずも「中国のアピールをうまくブロック」した形になりました。

 

 

中国が「ならば、この際ロシアにつくぜ!」とも出来ない(今ここでべったりロシアにつくのは得策ではない)ので、非常に良いタイミングだったということになります。

 

 

 

もう一つの重大な局面は、

 

 

ロシア ベラルーシに戦術核配備へ 米NSC報道官 “影響を注視” | NHK | ウクライナ情勢

 

 

戦術核(小規模核兵器)は、これまで散々脅しに使ってきましたが、脅しのレベルをかなり上げてきた感じです。いきなり撃つことはないでしょうが、今回の侵攻そのものが「兵隊をベラルーシに配備する」ところからスタートしたことを考えると全く可能性がないわけではありません。場合によってはありうる、と。

 

 

理屈なんかはいくらでもつけられますし、まずは人がいない地域に撃ち込んでみて反応を見るなどいろいろな戦術が考えられます。

 

 

この動きについて、ゼレンスキー大統領は核拡散防止条約に反しているとして国連安保理開催を要求しましたが、これまで通り国連安保理に制御する力はありません(5大国にロシア・中国がいる)。

 

 

ロシアとしても、これまでアメリカがNATO加盟国に核を配備したことを槍玉に挙げ、「だったらロシアと友好国のベラルーシから『置いてくれと言われた』からには我々も置いて良いはずだ」と反論(?)しています。

 

 

 

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めちゃくちゃどうでもいいですが、

 

ゼレンスキー大統領のコスプレをした理由は「勇気と誇りに感服したから」。世界で話題の京大卒業生、熱い思いを語る | ハフポスト NEWS (huffingtonpost.jp)

 

 

京大生が卒業式でゼレンスキー大統領のコスプレをしてウクライナでバズっているそうです。

 

 

ちなみに4浪だそうです。

 

 

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